南アメリカの歴史

20世紀初頭、世界で最も裕福だった「植民地」はハワイ――その繁栄の秘密とは?

20世紀初頭、最も豊かだった「植民地」はハワイ

19世紀から20世紀への転換期、世界で最も裕福な植民地とされていたのが、太平洋に浮かぶハワイです。1898年にアメリカ合衆国へ併合されたハワイは、砂糖・パイナップル・米の三大農産物を基盤としたプランテーション経済によって、目覚ましい繁栄を遂げていました。

農業産業が支えた好景気

ハワイ経済を牽引した中心は、砂糖とパイナップルの産業でした。1875年の米ハワイ互恵条約により、ハワイ産の砂糖が関税なしでアメリカ本土へ輸出できるようになったことが、プランテーション経済発展の大きな転機となります。その後、日本や中国、フィリピンなどから多くの移民労働者が渡航し、サトウキビ畑やパイナップル農園の発展を下支えしました。

観光地としての人気も追い風に

温暖な気候と美しい自然に恵まれたハワイ諸島は、早くから観光地としても高い人気を集めていました。船で訪れる旅行者が増えるにつれ、ホテル業や関連サービス業も成長し、農業に依存しがちだった経済に新たな活力をもたらしました。観光収入の増加は、島嶼部としては珍しい多角的な経済構造の形成に貢献しています。

一人当たり所得は米本土の約2倍

こうした農業と観光の相乗効果により、1900年にはハワイの一人当たり所得がアメリカ本土の約2倍に達していたとされています。小さな島々が、当時としては驚異的な経済水準を実現していたのです。砂糖・パイナップル産業と観光業という二本柱による繁栄は、その後のハワイ経済のあり方を形づくる基盤となりました。