南アメリカの歴史

アフリカからアメリカ大陸に連れてこられた奴隷のほとんどは、アメリカ本土ではなくカリブ海の島々だった?

16世紀から19世紀にかけて、アフリカからアメリカ大陸へ強制的に連れてこられた奴隷の数は約1,250万人と推定されています。そして注目すべきは、その大多数が向かった先が、後のアメリカ合衆国となる北米大陸ではなく、カリブ海の島々やブラジルだったという点です。

なぜカリブ海諸島に奴隷が集中したのか

ジャマイカ、キューバ、イスパニョーラ島などのカリブ海の島々は、当時の世界経済においてサトウキビ生産の重要な中心地でした。ヨーロッパでの砂糖需要が急増する中、プランテーション(大規模農園)では膨大な労働力が必要となり、その結果、これらの地域に奴隷が集中的に送られることになりました。

北米植民地との違い

一方で、後にアメリカ合衆国となるイギリス領北米植民地における奴隷人口は、比較的少なかったとされています。これは、同地域の経済が大規模なプランテーション農業よりも、農業や交易を中心として発展していたためです。南部の綿花・タバコ栽培地帯を除けば、労働力の需要構造がカリブ海地域とは大きく異なっていました。

まとめ

つまり、アフリカからアメリカ大陸へ運ばれた奴隷の大部分は、アメリカ本土ではなくカリブ海の島々に送られたのです。砂糖産業の隆盛こそが、この地域への奴隷貿易の集中を促す最大の要因でした。大西洋奴隷貿易の歴史を理解するうえで、この地理的な偏りを押さえておくことは非常に重要です。