南アメリカの歴史

エリス島とエンジェル島――アメリカ移民史における二つの「玄関口」が持っていた意味

アメリカ移民史を語る上で欠かせない二つの島

エリス島(Ellis Island)とエンジェル島(Angel Island)は、アメリカ移民の歴史において最も重要な入国審査施設でした。世界中からやって来た何百万人もの移民たちにとって、この二つの島は「アメリカへの玄関口」であり、新しい人生へと続く扉だったのです。

エリス島:東海岸最大の入国管理所

ニューヨーク港に位置するエリス島は、1892年から1954年までの約60年間、アメリカで最も繁忙な入国管理所として機能しました。この期間に、世界各国から1200万人以上の移民がエリス島を通過し、アメリカでの新生活へと向かいました。

厳格な審査と、移民を支える拠点

移民たちはエリス島で健康診断を受け、入国審査官による面接を行われました。入国が認められた者だけがアメリカに入ることができ、不適格と判断された者は本国へ送還されました。

一方で、エリス島は移民たちを支援する場所でもありました。島内には学校や教会が設けられ、英語学習や就職あっせんなど、さまざまな社会サービス組織が移民たちの新生活を支えていました。

エンジェル島:西海岸の主要な入国管理所

サンフランシスコ湾に位置するエンジェル島は、1910年から1940年までの間、アメリカ西海岸における主要な入国管理所でした。この期間に、100万人以上の移民がエンジェル島を経由して、アメリカでの新生活をスタートさせました。

差別と長期収容の歴史

エンジェル島でも移民の収容と審査が行われましたが、その実態には厳しい側面がありました。ここを通過した移民の多くは中国人であり、彼らはしばしば差別や人種的偏見にさらされました。中には、入国が許可されるまで数年間も収容され続けた中国人移民もいたのです。

二つの島が映し出すアメリカという国の姿

エリス島とエンジェル島は、アメリカ移民の歴史において極めて重要な役割を果たしました。何百万人もの移民たちがこの二つの島を通ってアメリカに渡り、新しい人生を築き上げていきました。希望と試練が交錯したこれらの島を通過した移民たちの物語は、そのままアメリカという国自身の物語だと言えるでしょう。