「米ドル復活の法令」は実在するのか?
かつてサダム・フセイン政権下のイラクは、石油輸出をユーロ建てで行っていました。これに対し、連合国暫定当局(CPA)の責任者を務めたポール・ブレマー氏が、米ドルをイラクの石油輸出通貨として復活させる法令を発布した――这样的な主張が一部で見られます。しかし、そのような法令や決定を裏付ける信頼できる証拠は、現在までに確認されていません。
ユーロ建て販売の歴史とその後
そもそもイラクが石油輸出をユーロ建てに切り替えたのは、国連の「石油食料交換プログラム」のもとで2000年前後に行われた措置でした。その後もイラクはしばらくユーロ建てでの原油販売を続けたとされ、2005年頃にイラクディナールが公式通貨として再確立されるまで、この体制が維持されたと説明されることがあります。
イラク議会の承認はあったのか
また、「2002年11月にイラク議会が当該の法令を承認した」という前提についても、それを示す公的な記録や一次資料は存在しません。つまり、この質問の出発点となる前提自体が、事実誤認である可能性が高いのです。
まとめ
結論として、ブレマー氏が米ドルでの石油輸出を復活させる法令を発布したこと、またイラク議会がそれを承認したことを示す確たる証拠はありません。歴史上の出来事や政治的決定を語る際には、一次資料や信頼できる情報源に基づいて慎重に確認することが不可欠です。