ヴェネツィア出身の商人にして探検家、マルコ・ポーロ(1254年〜1324年)は、アジアでの旅を綴った著書『東方見聞録』(原題「世界の記述」)で広く知られています。1271年から1295年にかけての約24年に及ぶ旅の中で、彼は広大な範囲の地域を歴訪しました。ここでは、マルコ・ポーロが探検した主要な地域を詳しくご紹介します。
1. 中国
マルコ・ポーロは、フビライ・ハーンが統治するモンゴル帝国の中心地であった中国を訪れました。中国には長年滞在し、首都大都(現在の北京)をはじめ、杭州、四川、雲南などの都市や地方を幅広く巡っています。紙幣、印刷術、整備された道路網、駅伝制度など、高度に発達した中国文明に深い感銘を受けたことが、彼の記述からうかがえます。
2. モンゴル
ポーロはモンゴルの地も旅し、モンゴル帝国のかつての首都カラコルムなどの都市を訪れました。モンゴル人独特の遊牧生活や、彼らによる数々の征服の歴史についても詳細に記録しています。
3. 中央アジア
中央アジアでは、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、パミール高原といった過酷な地形を越えて進みました。道中で多様な文化や王国に出会い、ウイグル人の都市カシュガルや、オアシス都市として栄えたサマルカンド、ブハラなどを訪れています。
4. ペルシャ
ペルシャ(現在のイラン)では、タブリーズ、ホルムズ、シラーズといった主要都市を訪れました。シルクロードの交易路、ペルシャ湾の様子、そしてこの地域で繁栄していた市場について、生き生きと描写しています。
5. インド
インドでは南西海岸、すなわちマラバール地方(現在のケーララ州)の港町を訪れました。盛んな香辛料貿易の様子や、宝石・真珠が豊富に採れることについても記録に残しています。
6. 東南アジア
ポーロは東南アジアの海域を航海し、スマトラ島、さらにはジャワ島にも足を運んだ可能性があるとされています。これらの地域に豊かに存在した天然資源、野生動物、そして珍しい香辛料について書き残しました。
マルコ・ポーロの旅が残したもの
マルコ・ポーロの探検と観察は、アジアの富、多様性、そして驚異を西洋世界に伝える上で極めて重要な役割を果たしました。彼の記録は、クリストファー・コロンブスをはじめとする後世の探検家たちに大きな影響を与え、中世後期における地理学および文化知識の発展に大きく貢献したのです。