西半球におけるヨーロッパ人の定住地として知られる場所のひとつが、現在のアメリカ合衆国フロリダ州セントオーガスティン(St. Augustine)です。同市は1565年、スペインの提督にして探検家だったペドロ・メネンデス・デ・アビレス(Pedro Menéndez de Avilés)によって建設されました。
アメリカ最古のヨーロッパ系都市
セントオーガスティンは、アメリカ合衆国において「最も古く、かつ今日まで途切れることなく人が住み続けているヨーロッパ人によって築かれた都市」として知られています。450年以上の歴史を持ち、創建当時から現在まで市としての命脈が保たれている点が、大きな特徴です。
スペイン植民地時代の戦略的拠点
この街は、スペインによるフロリダ統治の要として設立された軍事的前哨基地でした。当時、フロリダ海峡はスペインの宝船艦隊が大西洋を渡る重要な航路であり、フランスやイギリスなどの他国勢力からこの航路を守るため、セントオーガスティンは極めて戦略的な位置づけを持っていました。
17世紀後半には要塞「カスティージョ・デ・サンマルコス(Castillo de San Marcos)」が石造りで建造され、度重なる攻撃から街を守りました。この要塞は現在も保存されており、米国本土で現存する最古のレンガ造りの要塞として観光名所となっています。
アメリカ史における役割
セントオーガスティンは、スペイン植民地時代からイギリス領時代、そしてアメリカ合衆国への編入に至るまで、北米東海岸の歴史の転換点にたびたび関わってきました。ヨーロッパ諸国の勢力争いの舞台となったこの街は、アメリカ合衆国の成り立ちを理解するうえで欠かせない歴史的な存在です。
今日のセントオーガスティン
現在のセントオーガスティンは、石畳の旧市街、スペイン植民地様式の建築物、歴史博物館などが立ち並ぶ人気の観光地です。「アメリカで最も古い街」としての歴史的価値と、温暖な気候、美しい海岸線が相まって、年間を通じて多くの旅行者が訪れています。