ヨーロッパの歴史

第一次世界大戦中にドイツ語で変わった言葉とは?反英・反仏感情が生んだ言語の変化

第一次世界大戦中、ドイツでは当時高まっていた反英国・反フランスの感情を反映して、いくつかのドイツ語の単語が変更されたり、別の言葉に置き換えられたりしました。ここでは、その代表的な例を紹介します。

戦時下のドイツで置き換えられた主な単語

1. Engländer(イギリス人)→ Brite

「Engländer」という言葉は「Brite」に置き換えられました。これは、大英帝国を連想させる表現の使用を避けるためとされています。

2. Franzose(フランス人)→ Gallier

「Franzose」の代わりに「Gallier(ガリア人)」という表現が用いられるようになりました。現在のフランスの一部地域に古代から住んでいたガリア人への言及によるものです。

3. Kaffee(コーヒー)→ Muckefuck

「Kaffee」という言葉は「Muckefuck」へと変更されました。フランス語の「café」とのつながりから距離を置くことが目的でした。

4. Pommes frites(フライドポテト)→ Kartoffelstäbchen

「Pommes frites」は「Kartoffelstäbchen(じゃがいもの細切り)」と呼ばれるようになりました。こちらもフランスとの結びつきを避けるためです。

5. Sekt(発泡性ワイン)→ Perlwein

「Sekt」は「Perlwein(パールワイン)」に置き換えられました。フランス語の「vin sec」への連想を避ける意図があったとされます。

言葉の変更が意味していたもの

これらの変更は、第一次世界大戦中におけるナショナリズムの高揚と、イギリスおよびフランスに対する敵意を映し出す、主として象徴的な動きでした。当時のドイツでは、敵国に関係する言葉を使うこと自体が「非愛国的」とみなされる風潮があり、日常的な食べ物や呼称にまでその影響が及びました。

ただし、こうした代替語の多くは国民の間に定着することはなく、戦争が終結すると次第に元の形へと戻っていきました。それでも、この時期の言語変化は、言葉が政治的・社会的感情と深く結びついていることを示す興味深い事例として、今日でも語り継がれています。