ハンプトン・コート宮殿に住んでいた最も有名な人物は、イングランド王ヘンリー8世です。彼は1525年にこの宮殿を手に入れると、チューダー朝の館を今日見られるような壮麗な王宮へと生まれ変わらせる大改造に着手しました。
ヘンリー8世と六人の妻
ヘンリー8世は、六人の妻とともに夏の間をハンプトン・コートで過ごし、広大な複合施設で行われるさまざまな娯楽や催しを楽しんだことで知られています。狩猟、ロイヤル・テニス、豪華な宴など、宮廷生活の中心地として繁栄しました。
もともとはウルジー枢機卿の邸宅だった
実は、ハンプトン・コート宮殿はもともと、トマス・ウルジー枢機卿が1514年頃から建設を進めていた私邸でした。しかし権力を失ったウルジーは宮殿を国王に献上し、以後ヘンリー8世の手によって大規模な拡張が行われました。大広間や巨大な台所など、当時の姿を今も残す部分が多くあります。
ステュアート朝以降の住人たち
ヘンリー8世の後も、ハンプトン・コートは王族の住まいとして使われ続けました。17世紀末にはウィリアム3世とメアリー2世が、建築家クリストファー・レンの設計によるバロック様式の新翼を増築しています。観光名所として人気の「ハンプトン・コートの迷路」も、この時代に造られたものです。
18世紀にジョージ2世の妃キャロラインが去って以降、君主が実際に住むことはなくなりましたが、ヴィクトリア女王が1838年に一般公開を決めたことで、現在ではイギリスを代表する歴史的観光名所となっています。