ローマは本当に「破壊」されたのか?
「ローマはどのようにして破壊されたのか」という問いはよく見かけますが、実は、都市としてのローマは滅んでいません。今日のローマはイタリア共和国の首都として繁栄しており、都市部の人口は約270万人を擁するヨーロッパ有数の大都市です。
古代ローマ帝国の滅亡とは
この質問が指しているのは、おそらく古代ローマ帝国の崩壊のことでしょう。西ローマ帝国は476年、ゲルマン人傭兵隊長オドアケルによって最後の皇帝ロムルス・アウグストゥルスが退位させられたことをもって滅亡したと一般に考えられています。その背景には、政治的混乱、経済危機、軍事力の低下、民族移動時代における外部からの圧力など、複数の要因が複雑に絡み合っていました。
なお、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)は1453年にコンスタンティノープルが陥落するまで、西側滅亡後もさらに約1000年間存続し続けました。
現代のローマ——「永遠の都」の今
都市としてのローマは帝国滅亡後も消えることなく、中世には教皇領の中心地として、1871年以降は統一イタリアの首都として発展を遂げてきました。現在では、コロッセオやフォロ・ロマーノといった古代の遺産、そして世界最小の国家バチカン市国が所在することでも知られ、年間数千万人規模の観光客が訪れる国際的な観光都市となっています。
つまり「破壊された」のはあくまで古代の政治体制である帝国であり、都市ローマそのものは約2800年の歴史の中で幾度もの衰退と再生を繰り返しながら、今日も「永遠の都」として確かに息づいているのです。