ヨーロッパの歴史

ワシントンD.C.の建築にローマ建築の影響はあるのか?その実態を解説

ワシントンD.C.の都市設計や建造物に対して、古代ローマ建築からの直接的な影響はほとんど、あるいは全く存在しないとされています。首都ワシントンの街並みは、単一の様式ではなく、複数の建築流派が融合した独特の景観を持っています。

ワシントンD.C.の建築を形づくった主な様式

ワシントンD.C.の建築は、以下のようなさまざまな様式から着想を得て発展してきました。

  • 新古典主義(Neoclassicism):国会議事堂やホワイトハウスなど、政府の主要建築物に広く採用されている様式です。ギリシャ神殿を思わせる柱や三角形のペディメントが特徴で、民主主義の象徴として選ばれました。
  • 連邦様式(Federal style):建国初期のアメリカで流行した様式で、左右対称の端正なデザインと繊細な装飾が特徴です。
  • ジョージア様式(Georgian):18世紀のイギリスで発展した様式で、レンガ造りの外観や規則正しい窓の配置が見られます。
  • ボザール様式(Beaux-Arts):19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスから伝わった様式で、壮大で華麗な公共建築に用いられました。ユニオン駅などが代表例です。

間接的につながる「古典」の要素

ただし、新古典主義そのものがギリシャ・ローマの古典建築を源泉としているため、間接的な影響は指摘できます。例えば、国会議事堂のドームやジェファーソン記念館の円形神殿風のデザインには、ローマのパンテオンを彷彿とさせる要素が取り入れられています。

まとめ

ワシントンD.C.の建築は、ローマ建築の直接的な模倣ではなく、新古典主義を中心に、連邦様式・ジョージア様式・ボザール様式といった多彩な様式が組み合わさって形成されたものです。古典への敬意を現代的に解釈した結果として、世界有数の美しい首都景観が生まれたといえるでしょう。