ヨーロッパの歴史

オランダのクリスマスの過ごし方|シンタークラースから第二のクリスマスまで

オランダのクリスマスには、日本や他の欧米諸国とは少し異なる独自の文化が根付いています。実は、オランダで最も盛大な贈り物の行事はクリスマスではなく「シンタークラース」。この記事では、オランダならではのクリスマスシーズンの過ごし方や伝統について、詳しくご紹介します。

1. シンタークラース:オランダ最大の贈り物イベント

オランダの子どもたちが一年で最も心待ちにするのは、12月5日の「シンタークラース(Sinterklaas)」です。聖ニコラウスをモデルとした伝説の人物で、蒸気船に乗ってスペインからやって来るとされ、「ズワルテ・ピート」と呼ばれるお供たちを引き連れて現れます。

シンタークラースの時期になると、子どもたちは暖炉のそばに自分の靴を出しておきます。すると夜のうちにシンタークラースが靴の中へプレゼントやお菓子を入れてくれる——これがオランダの子どもたちにとって何よりの楽しみなのです。

2. ケルストミス(クリスマス)は静かな祝日

クリスマスそのものは、シンタークラースに比べると落ち着いた、家族中心の祝日です。

メインの食事はクリスマスイブ(Kerstavond)にいただくのが一般的で、ローストガチョウや七面鳥、マッシュポテト、赤キャベツの煮込みなどが定番メニューとして食卓に並びます。

デザートには、ジンジャーブレッド風の焼き菓子「ペッパーノーテン(pepernoten)」や、ドライフルーツとスパイスが練り込まれた甘いパン「シュトレン(stollen)」といった伝統的なお菓子が登場します。

クリスマスの飾り付け

家庭では、イルミネーションやキャンドル、リースなどで家の内外を飾り付けます。装飾を施したクリスマスツリー(kerstboom)も、街のあちこちで見られる冬の風物詩です。

クリスマスの朝には、サンタクロース(オランダ語で「ケルストマン/Kerstman」)からの小さなプレゼントがツリーの下に置かれていることもあります。

3. 教会の礼拝とクリスマスマーケット

クリスマスイブやクリスマス当日には、多くの人々が教会の礼拝に足を運びます。

伝統的なクリスマスキャロルも親しまれており、町や村によっては生演奏や屋台が並ぶクリスマスマーケットが開催され、街全体が華やかな雰囲気に包まれます。

4. 何よりも大切なのは家族との団らん

オランダのクリスマスの核心にあるのは、家族や大切な人と共に過ごす時間です。オランダ語で「ゲゼリッヒハイト(gezelligheid)」と表現される、居心地の良い温かな雰囲気の中でお互いの存在を味わうことが、何よりも重視されます。

クリスマス当日にプレゼントを交換する家庭もありますが、贈り物の主役はあくまでシンタークラース。クリスマスはいわば「団らんの日」なのです。

5. 第二のクリスマス「ツヴェーデ・ケルストダフ」

オランダではクリスマスの翌日(12月26日)も「ツヴェーデ・ケルストダフ(Tweede Kerstdag=第二のクリスマスの日)」として祝われ、正式な祝日に制定されています。

この日は親戚を訪ねてもう一度みんなで食事を楽しんだり、天候が許せばスケートやソリ遊びなどのウィンターアクティビティを満喫したりするのが定番です。クリスマスをゆったり二日間かけて味わえるのは、オランダならではの優雅な過ごし方と言えるでしょう。