第二次世界大戦中、ドイツ軍の暗号を解読するために開発された画期的な計算機械は、イギリスのブレッチリー・パークで誕生しました。この偉業に関わった中心人物の一人が、数学者のアラン・チューリングです。
アラン・チューリングと「ボンビ」
チューリングは、ドイツの「エニグマ」暗号機を解読するための電気機械式装置「ボンビ(Bombe)」の設計を主導しました。ボンビは、ポーランドの暗号研究者たちが開発した「ボンバ」を改良したもので、1940年から本格的に運用され、連合国の勝利に大きく貢献しました。
世界初の電子コンピューター「コロッサス」
一方、より強力な計算能力を持つ「コロッサス(Colossus)」は、イギリス郵政研究所の技師トミー・フラワーズによって設計されました。コロッサスは、エニグマよりもさらに複雑なドイツの「ローレンツ」暗号(テレタイプ通信の暗号)を解読する目的で開発され、1944年2月に稼働を開始した、世界初のプログラマブル電子デジタルコンピューターとされています。
長らく隠されていた歴史的功績
これらの機械と、それを設計・運用した科学者たちの功績は、戦後も長らく国家機密として封印されていました。しかし後にその全貌が明らかになり、現代コンピューターの誕生につながる歴史の中でも特に重要な一章として高く評価されています。