19世紀後半から20世紀にかけて、アメリカでは劣悪な労働条件の改善を目指して、数多くの労働組合が誕生しました。ここでは、代表的な初期の労働組合とその主な活動を紹介します。
1. 全国労働組合(National Labor Union、1866〜1872年)
8時間労働制、同一労働同一賃金、そして労働者協同組合の設立を提唱しました。また、労働条件の改善を実現するために、ストライキやボイコットを積極的に組織しました。
2. 労働騎士団(Knights of Labor、1869〜1949年)
労働時間の短縮、賃上げ、安全な労働環境の実現を掲げて活動しました。1877年の大鉄道ストライキをはじめとする大規模なストライキを組織したほか、生産者協同組合や産業の労働者による管理という構想を推進した点でも知られています。
3. 全米鉱山労働者組合(UMWA、1890年〜現在)
石炭産業において、賃上げ、安全な労働条件、そして組合の承認を求めて闘い続けました。数多くのストライキを主導し、アメリカの労働運動全体において重要な役割を果たしてきました。
4. アメリカ労働総同盟(AFL、1886〜1955年)
職能別組合や熟練労働者の連合体として結成されました。団体交渉、ストライキ、ロビー活動に重点を置き、加盟メンバーの賃金と労働条件の改善を目指して活動しました。
5. 世界産業労働者組合(IWW、1905年〜現在)
産業別組合主義を提唱し、技能レベルに関係なくあらゆる産業の労働者を組織することを目標としました。ストライキやサボタージュといった直接行動の戦術を用いて、目的の達成を図りました。
6. 産業別労働組合会議(CIO、1935〜1955年)
AFLから分裂した組合によって結成され、非熟練労働者や半熟練労働者を代表しました。全米自動車労働組合(UAW)や全米鉄鋼労働組合(USW)など、主要な産業別組合を次々と組織しました。
初期の労働組合が残した遺産
これらの初期の労働組合は、労働者の生活水準の向上、労働時間の短縮、安全規制の強化、そして組織権と団体交渉権の確立において、極めて重要な役割を果たしました。彼らの活動は、その後の大規模な労働運動の発展と、アメリカにおけるさまざまな労働権利関連法制の制定への道を開いたのです。