ヨーロッパの歴史

封建制度はスコットランドで合法化されたのか?――立法ではなく慣習法として生きた800年

スコットランドにおいて封建制度が何らかの法律や制定法によって正式に「合法化」されたことを示す証拠は、一切存在しません。この点はしばしば誤解されますが、封建制度は立法行為によって導入されたものではなかったのです。

普通法(コモン・ロー)としての封建法

封建法は、12世紀以降、スコットランドにおける普通法、すなわち慣習として自然発生的に確立した法体系でした。デイヴィッド1世の治世頃にノルマン式の封建的土地保有制度がもたらされましたが、それは議会による制定法として定められたのではなく、裁判所の判例や社会的慣行を通じて次第に一般化していったのです。

つまり封建法は「立法の対象」となる性質のものではなく、人々の間で当然のものとして受け入れられ、実践されることで法的効力を持つようになりました。このため、「いつ封建制度が合法化されたのか」という問い自体が、歴史的には成立し得ないのです。

封建制度の終焉

興味深いことに、スコットランドの封建的土地保有制度は20世紀末まで存続しました。最終的に「2000年封建保有地等廃止法(スコットランド)」が制定され、2004年11月28日に全面施行されたことで、約800年に及ぶ封建制度の歴史に幕が下ろされました。

こうして見ると、スコットランドの封建制度は、立法によらずに生まれ、逆に立法によって終わりを迎えたという、興味深い法史的特徴を備えているといえます。