8世紀から11世紀にかけて、ヴァイキングは故郷であるスカンジナビアを飛び出し、ヨーロッパのみならず北大西洋や地中海にまで進出しました。略奪者というイメージが強い一方で、実際には多くのヴァイキングが新たな土地に定住し、農耕や交易を行う開拓者でもありました。ここでは、彼らが定住した地域を体系的にご紹介します。
ヴァイキングの故郷:スカンジナビア
ヴァイキングの発祥の地は、次の3つの国々です。
- デンマーク
- ノルウェー
- スウェーデン
人口の増加、政治的な動乱、そして交易の機会を求めて、彼らは優れた航海技術を武器に海へと繰り出していきました。
北大西洋地域への定住
最も有名なのは北大西洋地域への進出です。荒波の海域を越え、ノルウェー系のヴァイキングたちは数々の新しい土地を発見・入植しました。
- アイスランド:9世紀後半以降、大規模な入植が行われました。
- グリーンランド:10世紀末、「赤毛のエイリーク」が入植を開始しました。
- ヴィンランド:北米大陸最北部にあたり、現在のカナダ・ニューファンドランド島周辺と考えられています。ヨーロッパ人として初めての北米到達でした。
- フェロー諸島
ブリテン諸島とフランス北部
イギリス諸島において、ヴァイキングは一時的な侵略者にとどまらず、長期にわたって定住し、地域社会に深く根を下ろしました。
- シェトランド諸島
- オークニー諸島
- アウター・ヘブリディーズ諸島
- マン島
- アイルランドの一部:ダブリンなど、後の主要都市の基礎を築きました。
- グレートブリテンの一部:イングランド北部には「デーンロー」と呼ばれるヴァイキング支配地域が存在しました。
- フランス北部ノルマンディー:首領ロロが西フランク王と条約を結んだことが、ノルマンディー公国の起源となりました。
- スコットランドのケイスネスおよびサザーランド地方
バルト海地域と東欧
スウェーデン系ヴァイキングは主に東方へ向かい、大河をさかのぼって広大な範囲に勢力を広げました。
- エストニアの一部
- ラトビアの一部
- フィンランドの一部
- カレリア
- インングリア
- ゴットランド島:バルト海交易の重要な拠点でした。
- ロシア:「ヴォルガ・ヴァイキング」と呼ばれる集団がヴォルガ川流域で活動し、キエフ・ルーシ国家の形成にも関与したとされています。
さらに遠くへ:ビザンツ帝国と北アフリカ
ヴァイキングの活動範囲は、ヨーロッパの枠を超えて広がりました。
- 東地中海:コンスタンティノープル(現イスタンブール)では、皇帝直属の傭兵部隊「ヴァラング親衛隊」に参加したヴァイキングたちが活躍しました。
- 北アフリカ:現在のモロッコやスペイン(アル・アンダルス)に定住したヴァイキングも存在しました。
まとめ
ヴァイキングの定住地は、故郷スカンジナビアから北大西洋、ブリテン諸島、フランス北部、バルト海沿岸、ロシア、さらにはビザンツ帝国や北アフリカにまで及びました。彼らは征服者であると同時に、商人、開拓者、傭兵としても機能し、中世ヨーロッパ世界の形成に多大な影響を与えたのです。