1865年、奴隷制廃止への決定的な一歩
1865年1月、アメリカ合衆国議会は憲法修正第13条を可決しました。その後、同年12月までに必要な数の州による批准が完了し、ここにアメリカ合衆国における奴隷制は正式に廃止されたのです。これは、南北戦争(1861年〜1865年)の終結とほぼ時を同じくする、アメリカ史上きわめて重要な転換点となりました。
憲法修正第13条の内容
この修正条項は、次のように宣言しています。
「合衆国、あるいはその管轄権が及ぶいかなる場所においても、奴隷制および強制的な労役(不随意奉仕)は存在してはならない。ただし、当該者が正当に有罪と認められた犯罪に対する刑罰として科される場合はこの限りではない」
解放宣言だけでは足りなかった理由
エイブラハム・リンカーン大統領は1863年に「奴隷解放宣言」を発布しましたが、これはあくまで戦時中の軍事的措置であり、恒久的かつ全国的な奴隷制の廃止を保証するものではありませんでした。そこで、戦後も奴隷制が復活することを防ぐため、憲法そのものを改正する必要があったのです。
批准の経緯
修正条項は1865年1月31日に議会で可決されると、各州の批准手続きへと進みました。同年12月6日、ジョージア州が27番目の批准州となり、必要な州数(全36州の4分の3)に達したことで、正式に発効しました。
残された課題
一方で、条文に含まれる「犯罪に対する刑罰」という例外規定は、後に南部諸州で軽微な罪を着せられた元奴隷たちに強制労働を課す「賠償借金制度」などの濫用につながったとも指摘されています。それでも、憲法修正第13条は人間を所有物として扱う制度に法的な終止符を打ち、その後の第14条・第15条(公民権と投票権)への道を開いた、歴史的な第一歩でした。