古代の歴史

アメリカ最古の1セント硬貨は「フローイング・ヘア・セント」——歴史と価値を徹底解説

アメリカ最古の1セント硬貨(ペニー)として知られているのが、フローイング・ヘア・セント(Flowing Hair Cent)です。「チェーン・セント(Chain Cent)」「リバティ・セント」とも呼ばれるこの銅貨は、1793年にフィラデルフィア造幣局で鋳造された、合衆国造幣局史上最初の1セント硬貨であり、アメリカ貨幣史における最も象徴的な存在のひとつとされています。

フローイング・ヘア・セントの基本情報

発行年1793年
素材銅
直径・重量直径約26〜27mm/約13.5g
鋳造枚数約36,000枚

デザインの特徴

表面には、左を向いた自由の女神リバティが描かれ、風になびく長い髪が大きな特徴です。この「流れるような髪」が硬貨名の由来となっています。裏面には、当時の15州の結束を象徴する15の環をつないだ鎖があしらわれ、周囲には「UNITED STATES OF AMERICA」の文字と年号「1793」が刻まれています。

なお、このデザインは一般に、開設間もない造幣局で実務を統括したヘンリー・フォイト(Henry Voigt)によるものとされています。

短命に終わった理由

チェーン・セントの鋳造枚数はわずか約36,000枚。さらに、裏面の鎖が「束縛や隷属を連想させる」として世論から批判を受けたため、同年中に鎖の代わりに花輪を配した「レイス・セント(Wreath Cent)」へとデザインが変更されました。そのため鋳造期間はきわめて短く、現存する個体もごく限られています。

現在の価値

アメリカ独立直後という歴史的背景と高い希少性から、フローイング・ヘア・セントはアメリカの収集家たちにとって「聖杯」的存在のひとつとされています。保存状態の良い個体はオークションで数十万ドル、トップクラスのコンディションでは100万ドル(日本円で1億円超)を超える価格がついた例もあります。

まとめ

アメリカ最古のペニーは、1793年鋳造の「フローイング・ヘア・セント(チェーン・セント)」。合衆国造幣局が生んだ最初の1セント硬貨であり、約3.6万枚という少数しか鋳造されなかったことから、現在では最高峰のコレクターズアイテムとして珍重されています。