古代の歴史

イギリスは奴隷貿易を「創設」したのか?大西洋奴隷貿易の真実と各国の関与

イギリスは奴隷貿易の創設者ではない

「イギリスが奴隷貿易を創設した」という見方は、歴史的事実としては正確ではありません。大西洋を横断する奴隷貿易(トランスアトランティック・スレーブトレード)は、イギリス一国によって作り出されたものではなく、複数のヨーロッパ諸国、アフリカの王国、そしてアメリカ大陸の植民地が絡み合う世界的なシステムでした。

多くの国々が関わった国際的な仕組み

大西洋奴隷貿易は、15世紀にポルトガルがアフリカ西海岸との交易を開始したことに端を発します。その後、スペイン、オランダ、フランス、デンマークなども次々と参入し、それぞれが自国の植民地経済を支えるためにこの貿易に携わりました。アフリカ側においても、一部の王国や勢力が捕虜をヨーロッパの商人に売却する形で貿易網に関与していたことが知られています。

イギリスは最大級の参加者のひとつ

創設者ではないものの、イギリスは大西洋奴隷貿易における主要なプレーヤーでした。特に17世紀後半から18世紀にかけて、イギリスは他のどの国よりも多くのアフリカ人を強制的に連れ去り、カリブ海や北米の植民地へ輸送しました。砂糖プランテーションの急速な成長が、この貿易の拡大を大きく後押ししたのです。

歴史を正しく理解することの重要性

奴隷貿易の歴史を語る際には、特定の一国だけを「元凶」とするのではなく、国際的な経済システム全体の中で捉えることが重要です。同時に、イギリスが1807年に奴隷貿易を廃止し、さらに1833年には奴隷制そのものを廃止したという歴史の転換点についても、あわせて知っておく必要があります。