古代の歴史

1836年ゴブレクト・ドル銀貨とは?特徴・希少性・価値を徹底解説

1836年にフィラデルフィア造幣局で鋳造された「ゴブレクト・ドル(Gobrecht Dollar)」は、アメリカ合衆国の貨幣史上きわめて重要な位置を占める銀貨です。当時の彫刻官クリスチャン・ゴブレクト(Christian Gobrecht)によってデザインされたこの銀貨は、その後半世紀以上にわたって続く「座像の自由女神」デザインの先駆けとなりました。

基本スペック

  • 材質: 銀90%、銅10%
  • 重量: 26.73g(0.859トロイオンス)
  • 直径: 39mm(約1.54インチ)
  • 厚み: 約2.0mm
  • 縁: ギザギザ模様(リードエッジ)
  • 発行枚数: 1,000枚
  • デザイナー/彫刻官: クリスチャン・ゴブレクト
  • 希少性: 極めて希少

デザインの特徴

表面(オモテ)

表面には、岩の上に座る自由女神像が優雅に描かれています。周囲には13個の星が配置され、下部には発行年の「1836」が刻まれています。この美しい座像デザインは、1837年から1891年まで続くシーテッド・リバティ(Seated Liberty)シリーズの原型となった点で、貨幣デザイン史上特筆すべき存在です。

裏面(ウラ)

裏面には、空を力強く飛ぶ鷲が描かれ、上部に「UNITED STATES OF AMERICA」、下部に額面を示す「ONE DOLLAR」の文字が配されています。静止した鷲が主流だった従来のデザインとは一線を画す、躍動感あふれる構図が大きな特徴です。

希少性と価値

1836年ゴブレクト・ドルは一般流通を目的としたものではなく、試験的に鋳造された側面が強い銀貨です。発行枚数はわずか1,000枚にとどまり、その多くが流通過程で摩耗したり溶かされたりしたため、良好な状態で現存する個体はごくわずかしかありません。

こうした背景から、コレクター市場での評価は非常に高く、特に保存状態の良い個体は10万ドル(日本円で約1,500万円)を超える価格で取引されることもあります。アメリカ古銭収集界における「聖杯」の一つとして、世界中のコレクターから垂涎の的となっています。

歴史的背景

この銀貨の名は、デザイナーであるクリスチャン・ゴブレクトにちなんだものです。彼は当時フィラデルフィア造幣局で彫刻官を務めており、この作品が高く評価されたことが、後に主席彫刻官へ昇進するきっかけとなりました。

1836年ゴブレクト・ドルは、1804年以来およそ30年ぶりに復活したドル銀貨であり、同時に座像の自由女神デザインを本格採用した最初の硬貨でもあります。貨幣デザインの転換点を象徴する一枚として、歴史的価値もきわめて高いと言えるでしょう。