古代バグダッドの名称とは?
バグダッドという都市の古い呼び名は、実は現在と同じく「バグダッド」です。ただし、建設当初の正式名称は別に存在し、「マディーナト・アッサラーム(平和の都)」と呼ばれていました。この名前は、都市が宗教的・政治的な調和の象徴として計画されたことを反映しています。
アッバース朝による建設
バグダッドは8世紀、正確には西暦762年に、アッバース朝カリフのアル=マンスールによって建設されました。ティグリス川沿いという戦略的に優れた立地を選び、当時の最新の都市計画技術を駆使した円形都市として設計されたことで知られています。
イスラム世界の中心として繁栄
建設以来、バグダッドはアッバース朝の首都として、そして広大なイスラム世界の政治・経済・文化の中心地として栄えました。特に9世紀から10世紀にかけての黄金時代には、「知恵の館(バイト・アル=ヒクマ)」を中心に学問や翻訳活動が盛んに行われ、世界最大級の人口を誇る大都市へと発展しました。
13世紀の転換点
この繁栄は500年以上続きましたが、1258年にモンゴル帝国のフラグ率いる軍勢によってバグダッドは陥落し、アッバース朝は滅亡しました。それでもなお、バグダッドが中世イスラム文明の頂点を築いた都市であることは、今日でも高く評価されています。