アリーの死後、イスラム帝国を引き継いだ勢力
西暦661年、第4代正統カリフであるアリー・イブン・アビー・ターリブが死去すると、イスラム帝国の支配権はウマイヤ朝へと移りました。これにより、イスラム史上初の世襲王朝による統治の時代が幕を開けたのです。
初代ウマイヤ朝カリフ、ムアーウィヤ1世
ウマイヤ朝の初代カリフとなったのは、シリア総督を務めていたムアーウィヤ1世(Mu'awiya I)です。彼はアリーとの対立関係にあった人物として知られ、アリーの死後、カリフ位を確立しました。
ムアーウィヤ1世は首都をメディナからダマスカス(現シリアの首都)へと遷都し、ここを拠点として帝国の統治を行いました。ダマスカスを中心としたこの体制は、その後のイスラム世界の政治的・文化的発展に大きな影響を与えることになります。
ウマイヤ朝の統治とその終焉
ウマイヤ朝は約90年間にわたってイスラム帝国を統治し、その版図を北アフリカからイベリア半島(現在のスペイン)、中央アジアにまで大きく拡大させました。歴代カリフたちの下で、イスラム帝国は世界史上でも有数の大帝国へと成長していったのです。
しかし、西暦750年、アッバース革命によってウマイヤ朝は打倒されました。権力を握ったアッバース朝は、新たな首都バグダードを建設し、イスラム黄金時代と呼ばれる繁栄期を築いていくこととなります。
まとめ
アリー・イブン・アビー・ターリブの死後、イスラム帝国を統治したのはムアーウィヤ1世が開いたウマイヤ朝でした。同朝はダマスカスを首都として661年から750年まで帝国を支配し、アッバース革命によってその統治に終止符が打たれました。