古代の歴史

アラパホ族の伝統衣装とは?動物の皮革で作られた民族服飾の世界

アラパホ族の伝統衣装

北米平原に暮らしていた先住民族アラパホ族の伝統的な衣類は、鹿、エルク(ワピチ)、バッファロー(バイソン)などの動物の皮革から作られていました。これらの皮は丁寧になめされて縫い合わせられ、シャツ、ズボン、ドレス、レギンス(脚絆)、モカシンなど、生活に必要なさまざまな衣服へと仕上げられていたのです。

男性の服装

男性は一般的に「ブリーチクロス」と呼ばれる腰布を身につけていました。これは長い布を腰に巻き、脚の間に通して固定するというシンプルなスタイルです。上半身には、肩と脇の部分を縫い合わせた2枚の長方形の皮革で作られたシャツを着用し、そこにはビーズ、ヤマアラシの棘を使った刺繍(キルワーク)、あるいはペンキによる装飾が施されました。

寒い季節には、バッファローの革一枚から作られた大型で厚手のマント「バッファローローブ」を羽織りました。このローブは縁の部分に毛皮をあしらうなど、実用性だけでなく見栄えにもこだわりが感じられるものでした。

女性の服装

女性は、男性のシャツと同じように肩と脇を縫い合わせた2枚の長方形の皮革で作られたドレスを着ていました。ドレスは男性のシャツよりも丈が長く設計されており、ビーズやキルワーク、ペイントによって華やかに彩られるのが一般的でした。

さらに女性は、股下を縫い合わせた2枚の長い皮革でできたレギンスを履いていました。こちらにも同様に、精巧なビーズワークやペイントによる装飾がほどこされ、日常使いでありながら美意識を大切にした暮らしがうかがえます。

モカシン

モカシンは男女を問わず履かれていた柔らかな皮革製の靴で、鹿、エルク、バッファローのいずれかの革から作られました。足元にまで及ぶ装飾へのこだわりは強く、モカシンにもビーズやキルワーク、ペイントによる美しい文様が施されることが少なくありませんでした。

頭飾り

男性と女性は、鷲の羽根やその他の動物の毛皮で作られた頭飾りを身につけることがよくありました。頭飾りは単なる装飾品ではなく、着用者の社会的な地位や威信を示す重要な象徴とされていました。

装身具

男女ともに、ビーズ、ヤマアラシの棘、貝殻、金属など多彩な素材で作られた装身具を好んで身につけていました。これらの装飾品は、髪、首、耳、手首などを彩るために用いられ、アラパホ族の美意識と精神性を今に伝える存在となっています。