チューダー朝時代にスパイスを「発見」したのは誰か?
実は、チューダー朝時代(1485年〜1603年)にスパイスが発見されたわけではありません。この時代にスパイスを初めて発見した人物は存在しないのです。
スパイスはヨーロッパにおいて古代から知られており、シルクロードをはじめとする交易路を通じて東洋から運ばれてきました。胡椒、シナモン、ナツメグといった香辛料は、ローマ時代にはすでに貴重な交易品として高値で取引されていました。
古代から続くスパイス交易の歴史
スパイスの中継貿易は長らくアラビア商人やヴェネツィア商人が支配しており、ヨーロッパに届く香辛料は非常に高価な贅沢品でした。陸路や中東経由の海路に頼る交易構造では、供給量も限られていたのです。
大航海時代がもたらした変化
チューダー朝の時代は、まさに大航海時代の真っ只中にあたります。1498年にヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰回りのインド航路を開拓すると、ポルトガルがスパイス貿易の主導権を握るようになりました。
16世紀後半には、フランシス・ドレークなどのイングランド人航海者も活躍し、エリザベス1世の時代に東インド会社の設立(1600年)へとつながっていきます。つまり、チューダー朝時代はスパイスの「発見」ではなく、スパイスへの直接アクセスを求めた海洋進出の時代だったと言えるでしょう。
まとめ
スパイス自体は古代からヨーロッパで知られていましたが、チューダー朝時代の探検家たちによって、それまでの中継貿易に頼らない新しい航路が切り拓かれたのです。これによりスパイスは少しずつ庶民にも手が届くものとなり、世界の経済と食文化を大きく変えることになりました。