実は、シュメール人は祖先のように小さな村に住み続けたわけではありません。彼らは紀元前4千年紀頃、メソポタミア(現在のイラク南部)において、世界最古級の都市を次々と築き上げました。
ウルとウルク――世界最古の都市
シュメール人が建設した代表的な都市には、ウルやウルクがあります。特にウルクは、人口が数万人に達したとも言われる、人類史上最初期の大都市の一つです。これらの都市は単なる居住地にとどまらず、交易・文化・宗教の中心地として大いに繁栄しました。
都市がもたらしたもの
交易の発展
ティグリス川とユーフラテス川に恵まれたメソポタミアでは、農業生産の余剰を背景に遠方との交易が盛んになり、金属・石材・木材などを求めて広範な交易網が築かれました。
文化と文字の誕生
都市社会では、複雑な経済活動を記録する必要から、楔形文字と呼ばれる世界最古の文字体系が生まれました。数学や天文学の基礎も、この時代に培われています。
宗教の中心としての神殿
各都市の中心にはジッグラトと呼ばれる階段状の神殿がそびえ、宗教的・政治的な中枢として機能しました。神殿は穀物の貯蔵や再分配の場でもあり、都市経済の中核を担っていました。
村から都市へ――文明への転換点
灌漑農業の発展によって食糧生産が安定し、人口が増加するにつれ、村々は次第に大きな集落へと成長していきました。こうしてシュメール人は、人類初とも言える都市文明を打ち立て、後のメソポタミア文明、ひいては世界の文明の礎を築いたのです。