農業革命期のイギリスにおいて、輪作や飼料作物の導入を通じて地力の維持・回復を推進した人物の中で、本問の答えとなるのはジェスロ・タル(Jethro Tull)です。
ジェスロ・タルとはどんな人物か
ジェスロ・タル(1674年〜1741年)は、イギリスの農学者であり発明家です。彼は種子を一定間隔で畑にまく「ドリル播種機(シードドリル)」を開発したことで知られており、この発明は従来の散播方式に比べて種子の無駄を減らし、除草や管理を容易にするなど、当時の農業技術に大きな変革をもたらしました。
カブ栽培と土壌回復への貢献
タルは播種機の開発だけでなく、輪作(作物の計画的な切り替え栽培)の重要性についても積極的に提唱しました。特に、冬季の飼料作物としてカブ(ターンプ)を栽培することを提言し、これが家畜の越冬飼料の確保と、畜産によって得られる肥料による土壌肥沃度の回復につながったとされています。
選択肢の人物との違い
- ロバート・ベイクウェル:家畜の品種改良で有名な畜産家
- チャールズ・タウンゼンド :ノーフォーク農法と呼ばれる四圃輪作を広めた政治家
- ジェームズ・ワット:蒸気機関の改良で知られる技術者・発明家
このように、各選択肢の人物もいずれも産業革命前後のイギリスを代表する人物ですが、「播種機の開発」と「カブを用いた土壌回復の提唱」に関わりが深いのはジェスロ・タルであり、これが本問の正解となります。