「李(り/リー)」は中国発祥の姓で、中国国内だけで1億人以上が名乗る、世界でも有数の大姓です。華人社会のみならず、韓国・ベトナム・東南アジア・北米などにも広く分布しており、「李」は人類史上もっとも多くの人々に共有されている姓の一つといわれています。
「李」という字のもつ意味
「李」は本来、すもも(プラム)を指す漢字です。「木」と「子」から成り、木に実る子(果実)を表すとされます。樹木の象徴として生命力や繁栄を連想させることから、姓としても縁起の良い字と捉えられてきました。
由来は周の時代の「理官」にさかのぼる
李姓の起源には諸説ありますが、有力とされるのは、上古の裁判・司法をつかさどる官職「大理(たいり)」を務めた皋陶(こうよう)の子孫にさかのぼる説です。子孫は「理」を姓としましたが、殷末周初の動乱のさなかに理利貞(り・りてい)が難を避けて逃亡した際、道端のすももの実を食べて飢えをしのがれたと伝わります。この故事にちなみ、「木子(すもも)」を表す「李」に姓を改めたのが始まりとされています。
唐王朝の国姓として全国へ拡大
李姓が爆発的に増えた大きな転機は、皇帝の家系が李姓であった唐王朝(618年〜907年)の成立です。国姓となった李は功臣への下賜や分家を通じて中国全土に広まり、人口を大きく伸ばしました。現在では華北地方を中心に、全国各地で見られる代表的な姓となっています。
世界に広がる「李」
今日、李姓は中国語圏では「リー(Li)」、韓国では「イ(Lee)」、ベトナムでは「レー(Lý)」として定着しています。華人移民の歴史とともに世界各地へ広がった結果、李は中国で最も一般的な姓の一つであるだけでなく、地球規模で見ても屈指の人数を誇る姓となっているのです。