古代の歴史

貧しいローマ人はバターを持っていた?古代ローマの食生活の真実

結論から言うと、貧しいローマ人がバターを持っていることはほとんどありませんでした。古代ローマにおいてバターは希少で高価なものであり、一般庶民が日常的に口にできる食品ではなかったのです。

バターは「薬」として扱われていた

興味深いことに、古代ローマではバターは食材というよりも、主に薬用目的で使用されていました。傷の治療や皮膚の手入れなどに使われることが多く、博物学者プリニウスもその効能について言及しています。当時のローマ人にとって、バターはあくまで特別なものだったのです。

「野蛮人の食べ物」とみなされたバター

さらに、ローマ人はガリア人やゲルマン人など北方の民族がバターを常用していることを知っており、それを文明化されていない証拠とみなす風潮がありました。このため、洗練されたローマ市民がバターを積極的に食べることは少なかったと考えられています。

庶民の台所を支えたのはオリーブオイル

では、一般の人々は何を使っていたのでしょうか。答えはオリーブオイルです。地中海性気候に恵まれたイタリアではオリーブの栽培が盛んで、オリーブオイルは安価かつ安定して供給されていました。料理の調理油としてはもちろん、パンにつけたり野菜にかけて味わうなど、調味料としても欠かせない存在でした。

まとめ

貧しいローマ人の食卓にバターが並ぶことはなく、彼らの毎日の食生活はオリーブオイルによって支えられていました。バターがヨーロッパの食文化の中心的な存在になるのは、ずっと後の時代になってからのことです。