イギリスの考古学者ニコラス・リーブス(Nicholas Reeves)氏が、エジプト入国の許可を得た。今回の渡航の目的は、ルクソール「王家の谷」にあるツタンカーメン王墓の近くに、伝説的な王妃ネフェルティティの埋葬室が存在するという自身の仮説を、現地で実際に検証することだ。
ベルリンの新博物館(ノイエス・ムゼウム)に所蔵されるネフェルティティの胸像。
世界中が注目する「二つの扉」の仮説
期待と緊張が高まる中、まだエジプトの地を踏んでいないにもかかわらず、リーブス氏への関心は日増しに高まっている。2015年9月28日にカイロへ到着予定の同氏は、「有名なツタンカーメン王墓に隣接する、未発見の秘密の部屋が存在する」と主張してきた人物だ。
今年発表された研究の中でリーブス氏は、埋葬室の彩色装飾の下に隠された「二つの扉」の存在を検出したと説明している。一つは収蔵用の物置部屋へ通じ、もう一つは「未盗掘の埋葬室」へと続くという。そしてその部屋こそ、エジプト史上最も名高い王妃の一人、ネフェルティティの墓である可能性があるというのだ。
この大胆な仮説は、エジプト政府の最高レベルの承認を得るに至った。現在アメリカ・アリゾナ大学に在籍するリーブス氏は、到着後まもなく古代遺産相マムドゥフ・アル=ダマーティー氏と面会し、すべての希望が懸かる場所――19歳で世を去った少年王ツタンカーメン(紀元前1324年頃没)の王墓KV62――へと向かう予定だ。ファラオ・アクエンアテンの妃であったネフェルティティの墓は、本当にこの壁の向こうに隠されているのだろうか。
初回調査ではレーダー探査は実施されず
この仮説を検証するため、エジプト当局は王墓内部でのレーダー探査の実施に同意している。しかしリーブス氏が科学誌『サイエンス・エ・アヴニール』の取材に対して明かしたところによれば、「今回の最初の訪問では実施されない」という。
古代遺産省の報道官モウシーラ・ムーサ氏によると、レーダー探査は安全上の理由から必要な使用許可が下りた後、おそらく10月中に行われる見込みだ。この二次調査は、日本から特別な機材が到着した後に予定されている。
それでも「予備的な結果」については、10月1日にカイロで開催される会議で発表される運びとなっている。興味深い偶然にも、9月20日にはツタンカーメン王墓が修復作業のため一般公開を一時停止すると発表されたばかり。著名な王墓の床の補修工事が必要とされているようだ。