エジプト・サッカラでコガネムシのミイラが初めて出土
エジプトのサッカラ墓地で、約2600年前のコガネムシ(スカラベ)のミイラが初めて発見されました。これに加えて、猫やヘビのミイラも出土しています。
エジプト・カイロ近郊のサッカラ墓地にある墓で見つかった、供物として捧げられた猫のミイラ。
動物のミイラ:2018年11月10日(土)、当局の発表によると、エジプトの考古学調査チームがカイロ近郊のサッカラ遺跡で7つの墓を発掘し、そこから甲虫類や猫のミイラが出土しました。このうち4つの墓は6000年以上前にさかのぼるものです。ハレド・エル=エナニー考古相は、発見場所について「古王国時代の首都が置かれたサッカラの(王族の)墓地群において、ウセルカフ王の葬祭複合施設に隣接する岩場の周辺」と述べました。
古代メンフィス地方の広大な墓地、サッカラ
「3つの墓は新王国時代(紀元前2千年紀後半)に属し、猫の埋葬地として使われていた」と同大臣はプレスリリースで説明しています。残りの4つの墓は古王国時代(紀元前4300年頃)のものであり、「最も重要なのは、王宮に属する建造物の守護者だったクフ=イムハトの墓です。第5王朝末期から第6王朝初期に築かれたものです」と大臣は付け加えました。過去にはフランスの調査チームがこの遺跡の東部を発掘し、数多くの動物のミイラを発見していました。
サッカラ遺跡は古代メンフィス地方に広がる巨大な墓地であり、数え切れないほどの墓や、最初期のファラオのピラミッドが存在することで知られています。最高考古学評議会事務局長のモスタファ・ワジリ氏によると、2018年4月から現地で調査を続けてきたエジプトの調査チームは、この墓地では史上初となるミイラ化したコガネムシも発掘しました。
「亜麻布に包まれた2匹の大型のミイラ化した甲虫が、小さな長方形の石灰岩石棺の中に納められていた」と同氏は明かしています。
ワニの木棺2基も発見
さらに、黒く塗られたコガネムシの絵で飾られた密封容器からも、別のコガネムシのミイラのまとまった一群が取り出されました。加えて、数十匹の猫のミイラのほか、金メッキを施した木製の猫像およそ100体、そして猫頭の女神バステトを象ったブロンズ像も見つかっています。
猫のミイラの一例。写真提供:Khaled Desouki / AFP
ワジリ氏によると、ライオン、牛、ハヤブサを描いた金メッキの木像のコレクションも出土品の中に含まれていました。そのほかにも、ワニの木棺2基、土器製のアミュレット(お守り)約1000点、カノポス壺、デモティック文字が記されたパピルス、さらには死者の書(一般的にミイラのそばに置かれた葬送の祈願文)の一部の章も発見されています。
古代エジプト人は不滅を信じ、死後も肉体を保ち続けるために自らをミイラ化しました。一方、動物のミイラは神への供物として用いられていました。エジプトでは何百万もの動物がミイラ化されており、それらは人々が崇拝する神々の姿を具現化したものとみなされていました。「アラブの春」以降の観光業の低迷を受け、カイロ当局は観光客を呼び戻すべく、古代エジプト文明の並外れた豊かさを積極的に発信し続けています。