地中レーダー(グラウンド・ペネトレーティング・レーダー)による探査の結果、ノルウェーにおいてヴァイキングの船葬墓(墓船)、墳丘墓群、そして5棟の長屋の遺構が新たに確認されました。

オスロ南東部で検出された「異常」
ヴァイキングの戦士たちは、死後の楽園ヴァルハラへ赴く際、大きな船に乗ってオーディンの宮殿へ旅立つと信じられてきました。2018年10月15日、考古学者チームが、ノルウェー南東部に埋もれたヴァイキング船の痕跡を発見したと発表しました。中世ヨーロッパを代表する卓越した航海者だった彼らの遠征の実態を解き明かす手がかりとなる、極めて珍しい発見として大きな注目を集めています。
船特有のシルエットは、地中レーダー探査によって地表から約50センチ下の地点で検出されました。発見場所はオスロ南東部、エストフォル県ハルデン(Halden)にあるヴァイキング時代の埋葬地を覆う塚の内部です。
文化遺産研究所(NIKU)の考古学者クヌート・パーシェ(Knut Paasche)氏はAFP通信に対し、次のように語りました。
「墓の中央部には、いわゆる『異常』と呼ばれる反応が確認されました。周囲とは明らかに様相が異なり、その形状と寸法はまさにヴァイキング船そのものだったのです」

ノルウェーのヴィークスレタ遺跡付近で実施された地中レーダー探査の様子。奥に見えるのが墓船を納めた塚。提供:NIKU
保存状態は未知数
一方で、木製部分が実際にどれほど残っているのかは、現時点では断定できないといいます。
「確実に言えるのは、そこに船が存在していたという事実だけです。しかし、どの程度の木材が残されているかを判断するのは難しい状況です」とパーシェ氏は説明します。
8世紀から11世紀にかけて北欧の海を席巻したヴァイキング時代には、王や族長を陸に引き上げた船に乗せて葬り、塚の下に埋めるのが慣例でした。場合によっては、生贄にされた動物や奴隷たちとともに埋葬されることもあったとされます。
良好な状態で残る船は国内でもわずか3隻
これまでノルウェーで良好な保存状態のまま発見されたヴァイキング船は、わずか3隻しかありません。
- トゥーネ号(Tuneskipet、全長19メートル)——1867年発見
- ゴクスタッド号(Gokstad、全長23メートル)——1880年発見
- オーセベリ号(Oseberg、全長21メートル)——1904年発見
いずれも現在はオスロ近郊ビュグドイ(Bygdøy)のヴァイキング船博物館に展示されています。

オーセベリ号。提供:Noe Falk Nielsen / NurPhoto / AFP
パーシェ氏は、「ヴァイキング船がどのような姿をしており、彼らがどのように航海していたのかを解明するには、さらなる発見が不可欠です」と強調します。今回ハルデンで、農業用排水工事に先立つ調査によって検出された船影は、船首と船尾を欠いているものの全長約20メートルに及びます。NIKUによれば、国内で発見されたヴァイキング船の中でも最大級に位置づけられる可能性があります。
周辺からは8基の墳丘墓と5棟の長屋も判明
研究所では現在、この発見への今後の対応を検討していますが、今の季節に発掘調査を実施することは想定されていないとのことです。さらに注目すべきは、今回の地中レーダー探査で船葬墓だけでなく、それまで知られていなかった8基の墳丘墓と5棟の長屋(ロングハウス)の位置まで特定できた点です。

ノルウェー・ハルデンの墳丘墓と長屋群を空撮。提供:NIKU
船葬墓はノルウェーだけではない
ヴァイキングの船葬墓が確認されているのはノルウェーだけではありません。デンマークのラズビー(Ladby)やスウェーデンのヴェンデル(Vendel)に加え、2011年にはスコットランドのアードナムルッカン(Ardnamurchan)で、盾・剣・槍などの武具や豊かな副葬品とともに葬られた男性の墓が発掘されています。
執筆:B.A(AFP通信協力)