ボルドーの博物館で眠っていた鉛の棺
フランス・ボルドーのアキテーヌ博物館(Musée d'Aquitaine)の収蔵庫で発見された、哲学者ミシェル・ド・モンテーニュ(1533〜1592)のものとされる棺が、その第一の秘密を明かし始めました。

ミシェル・ド・モンテーニュ(19世紀の版画)
2020年9月14日から18日にかけて、ボルドー都市圏予防考古学センターの考古学者エレーヌ・ルヴェイヤス(Hélène Réveillas)氏率いる科学チームは、1年以上前に博物館の収蔵庫で見つかった鉛製の容器を開棺しました。中からは、骨同士のつながりは部分的に失われていたものの、保存状態が極めて良好な全身骨格が見つかったのです。
「聖ミカエル勲章の頸飾りを見つけたかった」
遺骨は中背でやや華奢な体格の男性のもので、『エセー』の著者として知られる16世紀最大の人文学者モンテーニュが自らについて述べた記述と一致する可能性があります。しかし、身元を直接裏付ける文書や副葬品は見つかりませんでした。
「例えば聖ミカエル勲章の頸飾りを見つけたかったですね。これは当時モンテーニュに授与された由緒ある勲章で、彼はそれを身につけたまま埋葬された可能性があります」と、ルヴェイヤス氏は惜しみながら語ります。
DNA分析で子孫との照合へ
一方、研究チームは今後数か月かけて「読み解く」べき手がかりも複数確保しています。頭蓋骨の周囲には布片――額帯か帽子か――が残っており、髪の毛と思われるものや有機物も採取されました。これらはDNA分析にかけられ、現存するモンテーニュの子孫のDNAと照合される予定です。
また、大量の花粉や昆虫も採集されており、古寄生虫学者たちが当時の埋葬環境を復元する貴重な資料となります。さらに専門家たちは、長年腎臓結石に激しく苦しんだことで知られるモンテーニュの病の痕跡を求めて、棺の中をくまなくふるいにかけました。
1886年の羊皮紙文書が再埋葬を証明
第一次調査で棺を納めた小建造物から見つかった円筒形の鉛容器は、フランス国立科学研究センター(CNRS)名誉研究部長の古金属学者ミシェル・ペルノ(Michel Pernot)氏によって開封されました。中には1886年の日付を持つヴェラム(羊皮紙)文書が収められており、モンテーニュの遺体が現在のアキテーヌ博物館の地下に改めて埋葬されたことを証明していました。
この忘れ去られて一世紀以上が経っていた小建造物を2018年に発見したのは、館長に就任したばかりのローラン・ヴェドリン(Laurent Védrine)氏でした。DNA分析の最初の結果は、2021年初めに発表される予定です。