古代都市チャン・チャンで木製小像20体が出土
高さ70センチの木製小像20体が、ペルー北部にある古代都市チャン・チャン(Chan Chan)から発掘されました。同遺跡はアメリカ大陸最大級の先コロンブス期遺跡として知られています。考古学者チームとペルー文化省のパトリシア・バルブエナ(Patricia Balbuena)大臣は2018年10月22日、この発見を正式に発表しました。
小像が出土したのは、首都リマの北約570キロ、現代の都市トルヒーヨ(Trujillo)近郊に位置するチムー帝国の古都です。20体のうち1体を除き、いずれも良好な状態で保存されていました。彫像は、土製の浮き彫り(バスリリーフ)で装飾された回廊の壁に設けられた壁龕(へきがん)に一列に並べられており、収められていた建物は約1000年前にさかのぼるとみられています。

2018年10月20日、ペルー北部トルヒーヨ地方のチャン・チャン遺跡で、発見された木製小像の発掘作業を行う専門家(©AFP - CRIS BOURONCLE)
「年代と装飾の質の両面で重要な発見」
小像が見つかった回廊は、2018年6月に発見されたばかりのものでした。この回廊は、毎年世界各地から数千人の観光客が訪れるチャン・チャンの10ある要塞宮殿の一つ、「グラン・チムー宮殿(Gran Chimú)」の中にあります。遺跡を視察したバルブエナ文化大臣は、「その年代と装飾の質の観点から、非常に重要な発見だ」と歓迎の意を示しました。
9月に発見された小像は黒色で、顔にはベージュ色のマスクが着けられているのが特徴です。発掘調査を指揮する考古学者アルトゥーロ・パレデス(Arturo Paredes)氏によると、これらの彫像は「現在までにチャン・チャンで知られている最古の彫刻」である可能性があるといいます。
「輝ける太陽」の都チャン・チャンとは
チムー帝国は、西暦900年から1450年頃にかけてペルー北海岸で繁栄を極めた王国です。当時のチャン・チャンは「輝ける太陽」を意味する名を持つ都市で、人口は3万人に達していました。市の中心部には6平方キロメートルの範囲に10の城塞(要塞宮殿)が建ち並び、都市全体の面積は20平方キロメートルに及んだとされています。
チャン・チャンは1986年にユネスコの世界遺産に登録されました。現在も考古学者50人を含む500人以上が、さまざまな調査プロジェクトに携わり、研究を続けています。