「レッド・インディアンヘッドペニー(Red Indian Head penny)」という名称は、実はアメリカ造幣局(United States Mint)が発行したどの硬貨に対しても正式なものではありません。この呼び名は、コレクターや業者の間で混同されて生まれた俗称だと考えられています。
正しくは「インディアンヘッドペニー」
この呼び名の由来として最も可能性が高いのは、1859年から1909年にかけて鋳造されたインディアンヘッド1セント硬貨(Indian Head penny)との混同です。この硬貨の表面(オモテ面)には、先住民(ネイティブ・アメリカン)を模した女性の横顔が描かれており、一般的には「インディアンヘッドペニー」という名称で広く知られています。
なお、デザイン上のモデルは先住民そのものではなく、自由の女神に羽根飾りを被せた意匠であるとされています。デザイナーを務めたのは彫刻家のジェームズ・B・ロングエーカー(James B. Longacre)です。
「レッド」という言葉の正体
では、「レッド(赤)」という部分はどこから来たのでしょうか。これには、コインのグレーディング(状態評価)用語が関係していると考えられます。
銅貨のコレクター評価では、硬貨の色つやによって次のように分類されます。
- Red(RD/レッド):未使用に近く、鋳造当初の赤銅色の光沢を90%以上保っている状態
- Red-Brown(RB/レッドブラウン):赤色の光沢と茶色い変色が混在している状態
- Brown(BN/ブラウン):経年変化によりほぼ全体が茶色くなった状態
つまり「レッド・インディアンヘッドペニー」という表現は、「赤い光沢を保つインディアンヘッドペニー」を指す俗称である可能性が高いのです。ただし、これはあくまで状態を表す形容であり、独立した硬貨の種類名ではありません。
まとめ
「レッド・インディアンヘッドペニー」という正式な硬貨は存在せず、実際には1859年〜1909年発行の「インディアンヘッドペニー」を指しているのが一般的です。「レッド」は銅貨特有の赤い光沢を示すグレーディング用語と理解すると、混乱しにくくなります。収集や売買の際には、硬貨の名称と状態評価を区別して確認することをおすすめします。