1804年から1806年にかけて行われた「発見軍団(Corps of Discovery)」、通称ルイス・クラーク探検隊は、アメリカ史において最も重要な探検の一つとされています。トーマス・ジェファーソン大統領の命を受けたこの遠征には、以下のような明確な目的がありました。
1. ルイジアナ準州の調査
1803年にフランスから購入したばかりの広大なルイジアナ準州を探索し、その地理や地形の実態を把握することが最大の任務でした。当時、この地域の詳細な地図はほとんど存在していませんでした。
2. 太平洋への水路の探索
北西部のどこかに太平洋へとつながる水路が存在すると考えられており、それを発見することが重要な目標の一つでした。結果的にそのような直接の水路は存在しないことが判明しましたが、大陸横断のルート情報は後世に大きな価値をもたらしました。
3. 先住民との交易関係の構築
道中で出会うネイティブ・アメリカンの諸部族と友好関係を築き、交易の道を開くことも目的とされていました。探検隊は各部族にメダルや贈り物を配り、アメリカ合衆国との平和的な関係を示そうとしました。
4. 動植物および資源の記録
地域に生息する動植物や鉱物などの天然資源を詳細に記録し、標本を収集することも重要な使命でした。この調査によって、多くの新種が科学的に記載されることとなりました。
5. オレゴン地方の領有主張
当時グレートブリテン(イギリス)との間で帰属が争われていたオレゴン地方について、アメリカ合衆国の主権を主張する足がかりを築くことも、この遠征の戦略的な狙いでした。
これらの目的を掲げた発見軍団の旅は、約2年半に及ぶ過酷な冒険となりましたが、アメリカ西部の地理的知識を飛躍的に向上させ、国土開発の基盤を築いた歴史的な偉業として今日も語り継がれています。