考古学的発見

ピラミッドは砂岩で造られた?古代エジプトが実際に使用した建材の真実

「古代エジプト人はピラミッドを砂岩で建設した」という説を耳にすることがありますが、これは誤解です。実は、ギザの大ピラミッドをはじめとする有名なピラミッド群の主要な建材は、石灰岩(ライムストーン)と花崗岩(グラナイト)でした。砂岩は主役ではなかったのです。

ピラミッドの主な建材:石灰岩

ピラミッドの本体を構成していたのは、地元で採掘された石灰岩です。ギザ台地の近くには良質な石灰岩の採石場があり、労働者たちはそこから巨大な石块を切り出し、ピラミッドの芯材として積み上げていきました。

さらに、クフ王の大ピラミッドの外装には、ナイル川対岸のトゥーラ産の極めて質の高い白い石灰岩が使われたとされています。磨き上げられたこの外装石は、完成当時、太陽光を反射してピラミッド全体が白く輝いていたといわれています。

重要な内部構造に使われた花崗岩

一方、王の間(王墓の部屋)など、特に重要な内部構造には、約900km離れたアスワンから運ばれた硬質の花崗岩が使用されました。花崗岩は石灰岩よりもはるかに硬く重い石材であり、巨石をナイル川の筏で運搬するという大規模な物流が行われていました。

砂岩はどのように使われたのか?

砂岩そのものがピラミッド建設に使われなかったわけではありませんが、砂岩が本格的に大量使用されたのは、むしろピラミッド時代より後の新王国時代以降です。カルナック神殿やルクソール神殿など、壮大な神殿建築において砂岩が主要な建材となりました。

まとめ

古代エジプト人がピラミッド建設に選んだのは砂岩ではなく、身近な石灰岩と、強度が必要な部分に用いられた花崗岩でした。目的に応じて素材を使い分けるという、彼らの高度な建築技術と計画性がうかがえるエピソードといえるでしょう。