ヒューロン族(ワンダット族)は、北米五大湖周辺に暮らしていた先住民族で、ロングハウスと呼ばれる伝統的な住居を建てていました。彼らは身近な自然素材を巧みに活用し、厳しい冬にも耐えうる丈夫な家を作り上げました。ここでは、その住居づくりに使用された主な材料をご紹介します。
骨組み:石斧で切り出した丸太
家の骨組みには、直径15cmほどの丸太が使用されました。金属製の道具がない時代において、これらの丸太は石斧を使って一本ずつ切り出されたものです。丸太同士は、動物の皮から作った生皮(なめしていない革)の紐でしっかりと結束されました。
屋根:防水性に優れた樹皮
屋根には、樹木の皮を板状に加工したものが使われました。特に重要だったのが白樺(カバノキ)の樹皮で、少なくとも1枚は白樺の皮を重ねることで、優れた防水性を実現していました。また、地域によっては草を屋根材として併用することもあったとされています。
壁:生皮の紐で固定した樹皮
壁も屋根と同様に、板状に加工した樹皮を使用して構築されました。これらの樹皮は生皮の紐で結び合わされて固定され、雨水や雪の侵入を防ぐために、こちらでも白樺の樹皮が防水材として活用されました。
まとめ
ヒューロン族の住居づくりには、丸太、樹皮(特に白樺)、草、そして生皮の紐といった、すべて自然界から得られる素材が使われていました。金属や釘を持たない彼らにとって、石斧と生皮の紐だけで家族全員を守れる頑丈な家を建てられたことは、自然環境との共生の中で培われた卓越した建築技術の証と言えるでしょう。