考古学的発見

北米の「塚を築く民」はいつ誕生した?アデナ・ホープウェル・ミシシッピの三大文化を解説

北米東部に栄えた塚築造文化とは

アメリカ東部では、数千年前から先住民族が「マウンド」と呼ばれる巨大な土塚を築いてきました。これらの塚は儀式や埋葬、あるいは指導者の権威を示すために造られたもので、その伝統は2000年以上にわたって受け継がれました。ここでは、代表的な三大塚築造文化を時系列で紹介します。

1. アデナ文化(紀元前1000年~紀元後100年)

アデナ文化は、アメリカ東部で確認されている最古の塚築造文化です。彼らは主にオハイオ川流域を中心に暮らし、儀式のために大型の土塚を数多く築きました。中には動物や鳥をかたどった形状の塚もあったとされ、死者を丁重に葬る埋葬施設としての役割も果たしていました。

2. ホープウェル文化(紀元前200年~紀元後400年)

アデナ文化の伝統を受け継ぎ、さらに発展させたのがホープウェル文化です。オハイオ川流域で繁栄したこの文化は、高度な技術力と広範な交易ネットワークを有していました。オハイオ州の「ホープウェル・マウンド・グループ」をはじめとする大規模な儀式用土構造物(アースワーク)を建造しており、その規模は世界最大級の先史時代土構造物の一つに数えられます。

3. ミシシッピ文化(800年~1500年)

ミシシッピ文化は、アメリカ東部における最後の主要な塚築造文化です。トウモロコシ農業を基盤とした大規模な社会を形成し、各地に儀式センターとなる都市を築き上げました。中でもイリノイ州の「カホキア・マウンズ」は有名で、南北アメリカ大陸最大の先史時代土構造物として知られています。最盛期には数万人が暮らしたとされるカホキアは、北米先史時代最大の都市でした。

まとめ

塚を築く文化は、アデナ文化に始まり、ホープウェル文化を経て、ミシシッピ文化へと受け継がれました。約2000年に及ぶこの伝統は、北米先住民族の高度な社会組織と精神性を今に伝える貴重な遺産といえるでしょう。