ルイ・ボナパルトとは

ルイ・ボナパルト(Louis Bonaparte、1778年9月2日〜1846年7月25日)は、フランス皇帝ナポレオン1世の三弟にあたる人物で、後にオランダ初代国王(ルイ1世)となりました。コルシカ島アジャクシオに生まれ、兄ナポレオンの栄光と転落を身近で見届けた一人です。
軍人としての出発:イタリアとエジプトでの副官時代
ルイは青年期に軍隊へ入り、イタリア遠征およびエジプト遠征において兄ナポレオンの副官(aide-de-camp)として従軍しました。戦場での経験を積む一方、詩や文学にも関心を持つなど、武人というより繊細な気質の持ち主だったと言われています。
本人の意思に反した政略結婚
1802年、ナポレオンの強い意向により、ルイは皇后ジョセフィーヌの娘ホルテンス・ド・ボアルネと結婚させられました。これはボナパルト家とボアルネ家を結びつけるための政略結婚であり、本人の希望によるものではありませんでした。夫婦仲は決して良好とは言えず、不幸な結婚生活となりましたが、二人の間には三人の息子が生まれました。
オランダ王への即位と退位
1806年、ナポレオンはルイをオランダ王に即位させました。しかしルイは就任後、オランダの国益と国民の暮らしを優先する姿勢を示し、大陸封鎖令など兄の政策に従うことを拒んだため、兄弟の関係は次第に悪化していきました。対立は深刻化し、1810年にはオランダはフランス帝国に併合され、ルイは王位を退くことになりました。
晩年と歴史的意義
退位後のルイは主にイタリアで暮らし、執筆活動などに時間を費やしながら、1846年にリヴォルノで亡くなりました。彼の歴史上最大の意義は、次男シャルル=ルイ・ナポレオン、すなわち後のフランス皇帝ナポレオン3世の父であったことでしょう。ナポレオン王朝の血統は、このルイの子孫を通じて受け継がれていったのです。