歴史上の人物

ロロ(?~927):ノルマンディー公国の礎を築いたヴァイキング首領

ロロ(?~927):ノルマンディー公国の礎を築いたヴァイキング首領

ノルウェーから追放されたヴァイキングの首領

ハロルフ・ガンゲ(Hrolf Ganger)、通称「歩き王ロロ」は、845年頃にノルウェーで生まれたとされるヴァイキングの指導者です。故郷を追放された彼は、ヴァイキングの一団を率い、特に英仏海峡沿岸への略奪攻撃で名を馳せました。

セーヌ川を遡る略奪の旅

ロロ率いる艦隊はセーヌ川を幾度も遡上し、ルーアンをはじめ、886年にはパリをも襲撃しました。この頃のフランク王国はヴァイキングの侵入に悩まされ続けており、防ぎようのない彼らの機動力は王国にとって深刻な脅威となっていました。

サン=クレール=シュル=エプト条約(911年)

転機が訪れたのは911年です。西フランク王シャルル3世(単純王)は、サン=クレール=シュル=エプト条約において、ネウストリアの一部、主にルーアン伯領をロロに与えました。これこそが、後のノルマンディー公国の基盤となります。

その見返りとして、ロロは他のヴァイキング集団がセーヌ川を遡上して内陸へ侵入することを防ぐ義務を負いました。かつての略奪者が、王国を守る防波堤へと転身したのです。

洗礼と「ロロ家」の始まり

ロロはルーアンの大聖堂で「ロベール」という洗礼名を受け、キリスト教徒となりました。彼の子孫は「ロロ家(ロロ朝)」と呼ばれ、ノルマンディー公の地位を代々継承していきます。

さらに注目すべきは、ロロの血筋がヨーロッパ中の王室に広がったことです。1066年にイングランドを征服したウィリアム征服王もまたロロ直系の子孫であり、今日のヨーロッパ各国の王家の多くにその血が受け継がれています。