歴史上の人物

シャルル・ド・ゴール ― 自由フランスを率い、第五共和政を築いた男

シャルル・ド・ゴールの生涯

シャルル・ド・ゴール(Charles de Gaulle、1890年〜1970年)は、1890年にフランス北部の都市リールで生まれました。教養あるカトリック家庭に育ち、早くから軍人としての道を選びます。第二次世界大戦前には、戦車などの機甲部隊を中核とする新たな軍事戦略に関する論文を発表し、当時としては先進的な軍事思想を持つ将校として注目されていました。

「6月18日の訴え」と自由フランス

1940年6月、ナチス・ドイツによるフランス侵攻の中で、ド・ゴールは国防次官に任命されます。降伏に反対し戦争継続を主張した彼は、同年6月17日にロンドンへ渡り、翌18日にBBCラジオを通じて歴史に残る「6月18日の訴え」を行いました。これは、占領下のフランス国民に対して抵抗を呼びかける有名な演説です。

その後、ド・ゴールは自由フランス軍を組織し、国内のレジスタンス運動を統括するとともに、連合国側との交渉における正当な代表者としての地位を確立していきました。大戦終結後にはフランス共和国臨時政府主席に就任しますが、1946年1月、自ら起草した憲法案が議会型政治にそぐわないものと判断されたことを受け、辞任しました。

第五共和政の成立と大統領時代

政界を離れていたド・ゴールでしたが、1958年、アルジェリア紛争の収拾という国家の危機に際して再び政界へ復帰します。彼は新しい憲法を提案し、国民投票での承認を経て、強力な大統領権限を特徴とする第五共和政を樹立しました。

対外政策においては、フランスの自主独立を強く掲げたのが大きな特徴です。NATOの軍事機構からの離脱や独自核戦力の構築など、「ド・ゴール主義」と呼ばれる独立路線は、後のフランス外交の基盤となりました。しかし1968年の五月危機では学生や労働者の大規模な抗議行動により、その求心力が揺らぐこととなります。

1969年、地方行政改革および上院改革をめぐる国民投票で否決されると、ド・ゴールは大統領職を辞任し、政界から完全に引退しました。翌1970年、79歳でこの世を去っています。

人物データ

生没年:1890年〜1970年
出身:フランス・リール
職業:軍人、政治家
主な業績:自由フランスの創設、第五共和政の樹立、フランス大統領(第5代)