ルソーは第三身分の一員だったのか?
ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau)は、フランスの第三身分には属していません。1712年、スイスのジュネーヴで時計職人の息子として生まれました。当時のジュネーヴは独立した都市国家であり、フランス王国の領土ではなかったため、彼はそもそもフランスの身分制度の枠外に位置づけられていたのです。
啓蒙時代を代表する思想家
ルソーは後に哲学者・作家・作曲家として活躍し、『社会契約論』や『エミール』などの著作を通じてヨーロッパ思想界に大きな足跡を残しました。彼は啓蒙思想を代表する最も影響力のある思想家の一人とみなされており、その思想はフランス革命に深遠な影響を及ぼしました。「人は生まれながらにして自由である」という一節は、革命を迎える人々に強いインスピレーションを与えたことで知られています。
第三身分とはどのような階級か
第三身分とは、旧体制(アンシャン・レジーム)下のフランスにおける社会階級の一つで、農民、職人、商人といった一般庶民から構成されていました。人口の大部分を占める最大の階級でありながら、政治的な発言力はきわめて限られていました。
一方、第一身分は聖職者、第二身分は貴族であり、この二つの特権的身分は、税制上の優遇などをはじめ、第三身分よりはるかに多くの権力と特権を享受していました。こうした不平等への不満が民衆の間で高まり続け、やがて1789年のフランス革命へとつながっていったのです。
まとめ
ルソー自身は第三身分の一員ではありませんでしたが、彼の思想は第三身分を中心とする民衆の意識に火をつけ、革命の思想的支柱となりました。国境を越えてその言葉が歴史を動かしたという点で、ルソーは18世紀において特別な存在であったといえるでしょう。