ビーンバッグチェア(ビーズクッションソファ)は、1968年にイタリアで発明されました。考案したのは、ピエロ・ガッティ(Piero Gatti)、チェザーレ・パオリーニ(Cesare Paolini)、フランコ・テオドロ(Franco Teodoro)という3人のデザイナーです。
3人のデザイナーと「サッコ」の誕生
彼らは当時、イタリアの家具メーカーザノッタ(Zanotta)と協働していたデザイナーチームでした。3人が手がけた製品は「サッコ(Sacco)」と名付けられ、内部にポリスチレンビーズを詰めた、形が自由に変化する新しいタイプの椅子として発表されました。
従来の椅子には必ずあった背もたれや脚、固定された構造をあえて排除し、身体に合わせて沈み込む柔らかさを追求した点が、サッコの革新的な特徴でした。
なぜビーンバッグチェアは革命的だったのか
1960年代後半のイタリアでは、既成のデザイン概念に疑問を投げかける「反デザイン」の動きが活発化していました。サッコはその象徴的な作品となり、以下のような理由から大きな注目を集めました。
- 座る人の体型や姿勢に合わせて形状が変わる自由な設計
- 軽量で移動が簡単、誰でも気軽に使える実用性
- 「正しい座り方」を強制しない、自由なライフスタイルの提案
現代に続くロングセラー
発表から半世紀以上が経過した今も、サッコはザノッタの代表作として生産が続けられており、ニューヨーク近代美術館(MoMA)など世界の主要美術館にもコレクションされています。
現在では世界中のメーカーからさまざまな素材やサイズのビーンバッグチェアが販売されており、リラックス家具の定番として、リビングや子供部屋、ゲームルームなど幅広いシーンで愛用されています。