米海兵隊の新兵訓練所として知られるパリスアイランド(Parris Island)。しかし、この島には意外な事実が隠されています。地図上ではサウスカロライナ州ボーフォート郡に位置しているのに、法的には同州の管轄外——つまり「サウスカロライナ州に属していない」とされる特別な土地なのです。
パリスアイランドという名前の由来
島の名前は、18世紀初頭にこの一帯を手に入れたイギリス系入植者、アレクサンダー・パリス(Alexander Parris)にちなんで付けられました。彼とその子孫が長くこの島を所有したことから、「パリスアイランド」という呼び名が次第に定着していきました。
さらに時代を遡ると、16世紀にはこの島にスペイン人が築いた植民都市「サンタ・エレナ(Santa Elena)」が存在していました。1566年から約20年間にわたり、ここはスペイン領フロリダの重要拠点として機能しており、島はヨーロッパ列強が争奪した歴史の舞台でもあったのです。
なぜ「サウスカロライナ州に属さない」のか
パリスアイランドは「連邦直轄地(federal enclave)」に指定された土地です。これは、連邦政府が州から土地の管轄権を取得し、州の司法権が及ばない形で直接管理する特別な区域を指します。
現在、島の大部分は海兵隊新兵訓練所(MCRD Parris Island)として使用されており、1915年以降、東部地区出身の海兵隊員を育成する重要拠点となっています。国家の防衛に関わる軍事施設であるため、州ではなく連邦政府の管理下に置かれているのです。
まとめ
パリスアイランドは、入植者アレクサンダー・パリスの名を冠しながらも、かつてはスペインの都市サンタ・エレナが置かれた歴史深い島です。そして今日では、サウスカロライナ州ボーフォート郡にありながら、連邦直轄地として州の管轄外に位置する——そんな二重の顔を持つ、とても特別な土地なのです。