結論:「1974年のリンカーン・ケネディ1セント硬貨」は実在しない
「1974年のリンカーン・ケネディ1セント硬貨(Lincoln-Kennedy Penny)」というコインを耳にしたことがあるかもしれませんが、結論から言えば、アメリカ合衆国造幣局がこのようなコインを公式に鋳造したことは一度もありません。
リンカーンとケネディの二人の大統領が同じ硬貨に描かれた1セント硬貨は、過去にも現在にも存在しないのです。
リンカーン1セント硬貨(リンカーン・セント)の歴史
アメリカの1セント硬貨(ペニー)は、1909年に初めてリンカーンの肖像が採用されました。これはエイブラハム・リンカーン大統領の生誕100周年を記念したもので、彫刻家ヴィクター・デイヴィッド・ブレナーの手によるデザインです。
それ以来、1セント硬貨の表面(オモテ面)には一貫してリンカーンの横顔が描き続けられており、アメリカ史上最も長く同じ人物が使用されている硬貨となっています。
ケネディ・ハーフダラー(50セント硬貨)の歴史
一方、ジョン・F・ケネディ大統領の肖像が刻まれたのは50セント硬貨(ハーフダラー)です。1963年11月のケネディ大統領暗殺を受け、国民の強い要望によって制作が決定し、1964年から発行されました。
つまり、リンカーンは1セント硬貨、ケネディは50セント硬貨と、それぞれ別の額面のコインに登場しており、両者が共に描かれたペニーは存在しないのが事実です。
なぜ「リンカーン・ケネディペニー」の噂が広まったのか?
では、なぜこのようなコインの話が出回るようになったのでしょうか。主な理由として以下が考えられます。
- 民間業者による記念品・ノベルティ商品:造幣局以外の民間企業が、記念品やグッズとして独自に作成した模造品が流通していることがあります。
- 改造コイン:実際の1セント硬貨や他の硬貨を加工し、ケネディの肖像を後から刻印したものが存在する場合があります。
- 都市伝説・ネット上の誤情報:「希少価値のあるレアコインだ」という誤った情報がSNSやオークションサイトなどで拡散されたことで、噂が広まりました。
手元にそのようなコインがある場合はどうすればいい?
もし「1974年のリンカーン・ケネディペニー」だと思われるコインを所有している場合は、それは政府発行の正式な通貨ではなく、私的に作られた記念品または加工されたコインである可能性が極めて高いです。
こうしたアイテムには公式な貨幣としての額面価値やコレクター市場での高額な価値はほぼありません。ただし、希少なノベルティとしての愛好家がいる場合もあるため、コイン専門店や鑑定機関に相談してみると、その正体を確かめることができます。
まとめ
1974年のリンカーン・ケネディ1セント硬貨は実在しない架空のコインです。リンカーンの肖像は1909年以降の1セント硬貨に、ケネディの肖像は1964年以降の50セント硬貨にそれぞれ刻まれており、両者が一緒になったペニーは鋳造された歴史がありません。「高価なレアコイン」という情報を見かけた際は、注意して判断しましょう。