アメリカ合衆国で初めて切手の図案となった黒人は、教育者であり指導者だったブッカー・T・ワシントン(Booker T. Washington)です。彼を描いた切手は1940年に発行され、その肖像が広く国民の目に触れることになりました。
1940年の「著名なアメリカ人」シリーズ
この切手は、全35種類からなる「著名なアメリカ人(Famous Americans)」シリーズの一部として発行されたもので、額面は10セントでした。シリーズは作家、詩人、教育家、科学者など7つのカテゴリーに分かれており、ワシントンは「教育家」部門に選ばれています。切手には彼の肖像が描かれ、その業績が改めて注目されるきっかけとなりました。
ブッカー・T・ワシントンとはどんな人物?
ブッカー・T・ワシントン(1856年〜1915年)は、奴隷として生まれながらも独学とたゆまぬ努力によって学び、アメリカを代表する黒人教育家へと成長した人物です。1881年にはアラバマ州にタスキーギ師範学校(現在のタスキーギ大学)を創設し、元奴隷や貧しい環境にある黒人たちに実用的な職業教育を提供しました。自伝『Up From Slavery(奴隷からの上昇)』は世界的なベストセラーとなり、彼は当時のアメリカで最も影響力のある黒人指導者の一人とされています。
その後も切手に登場
ワシントンは1940年以降も切手の題材として取り上げられました。1956年には生誕100周年を記念した切手が発行されており、アメリカ郵便の歴史において特別な存在であり続けています。