歴史上の人物

中世の騎士は昼食に何を食べていた?意外と知らない食事の実態

中世の騎士といえば、鎧をまとい馬上で戦う勇猛な姿が思い浮かびますが、彼らの食卓はどのようなものだったのでしょうか。実は、身分の高い騎士は「王並みのご馳走」を口にできることもある、恵まれた存在でした。

騎士の昼食の定番メニュー

中世ヨーロッパにおいて、昼食は一日の中で最も重要な食事とされ、比較的ボリュームのあるものが供されるのが一般的でした。騎士の昼食の定番となっていたのは、以下のような食品です。

  • パン: 何よりも基本となる主食。小麦粉を使った白いパンは高級品とされ、身分の高い者ほど質の良いパンを食べていました。
  • チーズ: タンパク質と脂質の貴重な供給源として、毎日の食卓に欠かせない存在でした。
  • 前夜の夕食の残り物: 冷蔵技術のない時代、調理済みの料理は翌日に再利用するのが普通でした。肉やシチューなどの残り物も、温め直していただいていました。

季節の果物や野菜も食卓に

パンやチーズだけでなく、季節に応じた果物や野菜が添えられることもありました。リンゴ、ベリー類、キャベツ、タマネギなどが代表的です。ただし、当時は生野菜を敬遠する風潮もあり、野菜は煮込み料理(ポタージュ)にして食べるのが主流でした。

フォークなしの時代――手づかみで食べる食事

現代人にとって意外に思えるかもしれませんが、中世の騎士たちは素手で料理をつまんで食べることがほとんどでした。フォークはまだヨーロッパに普及しておらず、カトラリーと言えるのはナイフとスプーン程度。肉はナイフで切り分け、あとは指でつまんで口に運んでいたのです。

とはいえ、無作法だったわけではありません。貴族社会では、食べる前に指を洗う習慣があり、テーブルマナーにも独自の作法が存在しました。汚れた手で共用の皿に直接触れない、といったルールが守られていたとされています。

まとめ:質素ながらも力強い中世の食文化

中世の騎士の昼食は、パン・チーズ・前夜の残り物が中心という、一見シンプルなものでした。しかし、肉やワインをふんだんに楽しめる身分でもあり、庶民との格差は明確にあったようです。手づかみで食べるスタイルなど、現代とは異なる食文化の一端を知ると、中世の歴史がより身近に感じられるのではないでしょうか。