ナチス・ドイツによる強制収容所と絶滅収容所のシステムは、一人の人物によってではなく、複数の高位のナチス幹部によって計画・実行されました。ここでは、その中心となった5人の人物と、それぞれが果たした役割を紹介します。
ハインリヒ・ヒムラー(Heinrich Himmler)
親衛隊(SS)とゲシュタポの最高責任者として、ヒムラーはナチスの強制収容所および絶滅収容所システム全体の中心的設計者でした。収容所の建設、管理、運営に直接責任を負い、数百万人もの人々を収容所へ移送させた張本人でもあります。
ラインハルト・ハイドリヒ(Reinhard Heydrich)
ハイドリヒはゲシュタポの長であり、ホロコーストの計画と実行においてヒムラーの最も近い協力者でした。ユダヤ人やその他のマイノリティを収容所へ移送する取りまとめを担当し、収容所で用いられた大量殺戮の手法を開発した人物として知られています。
アドルフ・アイヒマン(Adolf Eichmann)
アイヒマンは親衛隊の高級将校で、ホロコーストの組織化において極めて重要な役割を担いました。ユダヤ人やその他のマイノリティを収容所へ移送するための物流全般を担当し、誰を収容所へ送り、誰をドイツ国内に留めるかを決める選別プロセスにも深く関与しました。
ヨーゼフ・メンゲレ(Josef Mengele)
メンゲレはドイツの医師であり親衛隊将校で、アウシュヴィッツ強制収容所において囚人への人体実験を行いました。致命的な細菌の注入、麻酔なしでの手術、生存中の臓器摘出といった残虐かつ非人道的な実験の数々により、「死の天使」と呼ばれました。
ルドルフ・ヘス(Rudolf Höss)
ヘスはアウシュヴィッツ強制収容所の所長として最も長く在任した人物です。収容所の建設監督と、同所で行われた大量殺戮作戦の実施に責任を負っていました。戦後は連合軍に逮捕され、ニュルンベルク裁判で証言を行い、ホロコーストにおける自身の役割を認めています。