本記事では、ブラジルのUVA(ヴァレ・ド・アカラウ州立大学)の入学試験で実際に出題された、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)に関する歴史の練習問題を5問紹介します。記事の後半には全問の解答と詳しい解説を掲載しているので、入試対策や単元の復習にぜひお役立てください。
問題01(UVA/2010年後期)
ビザンツ帝国(東ローマ帝国)は、395年にテオドシウス帝によってローマ帝国が分割された結果として成立しました。ビザンツ帝国について正しい記述を選びなさい。
A)商業が大きく発展し、首都コンスタンティノープルは当時最大級の交易拠点の一つであった。
B)ユスティニアヌス帝の治世中に、トルコ人の進出により領土の大部分を失った。
C)皇帝が行政権のみを担い、立法府と司法府が別個に存在する、きわめて民主的な政治体制であった。
D)社会的不平等が少なく、奴隷制の存在しない社会であった。
問題02(UVA/2012年後期)
東ローマ帝国は、やがてビザンツ帝国として知られるようになりました。ローマ帝国に起源を持ちながらも、ビザンツ人はヘレニズムやギリシャ・ローマ文明の要素を取り込んだ独自の文化を形成しました。ビザンツ帝国について正しい記述を選びなさい。
I.6世紀、ユスティニアヌス帝の統治下でビザンツ帝国は最盛期を迎えた。
II.ユスティニアヌス帝の治世にハギア・ソフィアが建設された。
III.ユスティニアヌス帝の治世に、『ローマ法大全』(Corpus Juris Civilis)によってローマ法が法典化された。
IV.サラセン人とペルシア人の攻撃は、ビザンツ帝国を弱体化させることができなかった。
正しい組み合わせは次のどれか。
A)IとIVのみ B)I、II、IIIのみ C)II、III、IVのみ D)すべて
問題03(UVA/2003年後期)
その皇帝の治世において、ローマ法学者たちの学説を当時の時代に適応させた形で整理した『ローマ法大全』(Corpus Juris Civilis)が編纂されました。また、ビザンツ美術の最高傑作とされるサンタ・ソフィア(ハギア・ソフィア)教会も建設されました。この皇帝とは誰でしょうか。
A)テオドシウス B)トラヤヌス C)ユスティニアヌス D)コンスタンティヌス
問題04(UVA/2004年前期)
ビザンツ帝国について正しい記述を選びなさい。
A)中世を通じて、顕著な農村化と未発達な商業が特徴であった。
B)政治権力は常に分権的な性格を持っていた。
C)西ローマとは異なり、蛮族の侵入を一切経験しなかった。
D)政治権力は神政的であり、皇帝は教会に対する権限をも持っていた。
問題05(UVA/2010年後期)
ビザンツ帝国(東ローマ帝国)は、395年にテオドシウス帝によってローマ帝国が分割された結果として成立しました。ビザンツ帝国について正しい記述を選びなさい。
A)商業が大きく発展し、首都コンスタンティノープルは当時最大級の交易拠点の一つであった。
B)ユスティニアヌス帝の治世中に、トルコ人の進出により領土の大部分を失った。
C)皇帝が行政権のみを担う民主的な政治組織を持ち、立法府と司法府が存在した。
D)社会的不平等が少なく、奴隷制の存在しない社会であった。
解答と解説
問題01:正解はA
ビザンツ帝国(東ローマ帝国)は、ユスティニアヌス帝の治世に大きな経済的繁栄を遂げました。首都コンスタンティノープル(現在のトルコ領イスタンブール)が東方最大級の交易拠点とみなされていたことがその要因です。黒海と地中海を結ぶ要衝に位置し、東西貿易のハブとして栄えました。
問題02:正解はB(I、II、III)
東ローマ帝国として知られるビザンツ帝国は、皇帝ユスティニアヌス1世の治世(527〜565年)に最盛期を迎えました。皇帝教皇主義(カエサロパピズム)の確立、法典『ローマ法大全』(Corpus Juris Civilis)の編纂、そして中世最大級の建築作品の一つであるハギア・ソフィア大聖堂の建設などが行われた時代です。一方、項目IVは誤りです。サラセン人(アラブ人)やペルシア人との戦いは帝国に大きな打撃を与え、領土の縮小や衰退の一因となりました。
問題03:正解はC(ユスティニアヌス)
ユスティニアヌス1世は、ローマ法の全面的な見直しに基づく壮大な法学事業である『ローマ法大全』(ユスティニアヌス法典とも呼ばれる)の編纂によって名を残しました。この法典は後世のヨーロッパ法体系に多大な影響を与えています。
問題04:正解はD
ビザンツ帝国の政治権力は神政的(theocratic)な性格を帯びていました。皇帝は教会に対しても権限を行使し、世俗の支配者であると同時に宗教上の最高権威でもありました。このように国家と教会が皇帝のもとに一元化された体制は「皇帝教皇主義(カエサロパピズム)」と呼ばれます。
問題05:正解はA
問題01と同じ内容の出題です。ビザンツ帝国は商業の大幅な発展を遂げ、首都コンスタンティノープルは当時最大級の交易拠点の一つとして繁栄しました。
ビザンツ帝国の重要ポイントまとめ
- 成立:395年、テオドシウス帝によるローマ帝国の東西分割
- 最盛期:6世紀、ユスティニアヌス1世の治世
- 首都:コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)―― 東西貿易の要衝
- 法制:『ローマ法大全』(Corpus Juris Civilis)によるローマ法の集大成
- 建築・美術:ハギア・ソフィア大聖堂 ―― ビザンツ美術の最高傑作
- 政治体制:皇帝が世俗権力と宗教権力を兼ねる皇帝教皇主義(カエサロパピズム)
- 滅亡:1453年、オスマン帝国によるコンスタンティノープル陥落
*UVA=ヴァレ・ド・アカラウ州立大学(ブラジル・セアラ州)