植民地議会による王室総督への牽制――「財布の紐を握る」権限
植民地議会が王室総督に対して持っていた代表的な牽制手段のひとつが、「財布の紐を握る権限(control of the purse strings)」です。
植民地議会は、税金を賦課する権限と資金を配分する権限の両方を握っていました。このため、王室総督およびその行政機構が利用できる財源を大きく左右することが可能でした。つまり、予算をコントロールすることで、議会は総督が政策を実行したり、自らの権威を行使したりする能力を事実上制限できたのです。
こうした抑制と均衡(checks and balances)の仕組みによって、植民地議会は王室総督の行動に影響力を及ぼし、その権限に実質的な歯止めをかけることができました。総督は本国から派遣された王権の代理人でしたが、その活動資金の多くを植民地議会の承認に依存していたため、議会との対立を避け、妥協せざるを得ない状況に置かれていたのです。
このように、財政権を通じた監視・制約こそが、植民地議会が王室総督に対して保有していた重要なチェック機能の典型例といえます。