1923年の10セント硬貨の基本スペック
1923年にアメリカ合衆国造幣局(USミント)で鋳造された10セント硬貨(ダイム)は、銀90%・銅10%の合金で作られた銀貨です。重量は2.5グラム、直径は17.9ミリメートルという仕様で、純銀の含有量は約2.25グラム(約0.072トロイオンス)に相当します。
「1923年バーバー・ダイム」は実在しない?
よく混同されやすいのがバーバー・ダイム(Barber Dime)です。バーバー・ダイムは1892年から1916年まで鋳造されたシリーズで、1916年にマーキュリー・ダイムへと移行しました。そのため、1923年銘の正規なバーバー・ダイムは存在しません。「1923年」の刻印があるバーバー・ダイムを見かけた場合は、改ざん品や模造品の可能性が高いので注意が必要です。
参考までに、バーバー・ダイムの主な特徴は以下の通りです。
- デザイナー: チャールズ・E・バーバー(Charles E. Barber)
- 表面: 左向きの自由の女神像。髪をまとめ、自由の象徴であるフリギア帽を着用
- 裏面: 平和と力強さを象徴するオリーブの枝とオーク(樫)の枝
- 銘: 「UNITED STATES OF AMERICA」「ONE DIME」「E PLURIBUS UNUM」
1923年マーキュリー・ダイムのデザイン
1923年に実際に発行されていた10セント銀貨は、マーキュリー・ダイム(Mercury Dime)です。1916年から1945年まで鋳造されたこのシリーズは、彫刻家アドルフ・A・ワインマン(Adolph A. Weinman)によるデザインで知られています。
- 表面: 左向きの自由の女神像。風になびく髪に、翼の生えたフリギア帽を着用しているのが特徴で、翼のある帽子は自由の象徴とされています。その姿がローマ神話の神マーキュリー(ヘルメス)を連想させることから、この名前で呼ばれています。
- 裏面: 権威の象徴であるファスケス(斧を束ねた棒)に、平和の象徴であるオリーブの枝を絡ませたデザイン。
- 銘: 「UNITED STATES OF AMERICA」「ONE DIME」「E PLURIBUS UNUM」
1923年10セント銀貨の価値はいくら?
1923年マーキュリー・ダイムの価値は、主に保存状態(グレード)と銀の市場価格によって決まります。
銀地金としての価値
1923年銘は発行数が比較的多いため、流通品の場合は銀地金としての価値(スクラップバリュー)が下限の目安になります。純銀含有量は約0.072トロイオンスなので、銀の時価に応じておおよそ2〜3ドル程度が相場です(銀価格は常に変動します)。
コレクターとしての価値
未使用に近い美品や、ミントステート(MS)グレードと評価された高状態のコインはコレクター人気が高く、状態次第では数十ドルから数百ドルの値がつくこともあります。特に、裏面のファスケスの横帯が完全に分かれている「フルバンド(Full Bands)」と呼ばれる状態のものは、プレミアムが付きやすくなります。
売却や査定を検討する際は、摩耗の度合い・傷の有無・光沢の残りなどを確認し、信頼できるコインディーラーやPCGS・NGCなどの専門鑑定機関に相談するのがおすすめです。